マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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かつては天道花を立てていた伊与戸のおつきようか

2011年05月18日 07時59分08秒 | 田原本町へ
村屋神社から100メートルほどの北に鎮座する伊与戸(いよど)の八幡神社。

ひっそりと佇む。

その隣が公民館だ。

不定期だがそこで毎月お勤めをされている大師講の婦人たち。

10人ほどだそうだ。

かつては4月8日にその場で花まつりが行われていた。

昭和59年に発刊された田原本町の年中行事でそれが紹介されている。

おつきようか(5月8日)とも呼ばれていた日だった。

どうやらその日は天道花(てんとばな)を庭に立てていたようだ。

数メートルもある長い竹竿の先には山に咲くツツジの枝葉を葉を天頂に括りつけ、1足の草履を入れた竹カゴをぶら下げていた。

そのカゴには何か良いモノをが入る、或いは3本足のカエルが入ると言われていたようだ。

天理市の二階堂辺りでもその風習があったそうだ。

その写真が掲載されている年中行事の本。

川上村高原や都祁藺生などで聞き取った春の季節の古い風習の姿は県内から消えてしまったが記録映像として残されている。

花御堂の屋根に春の草花を飾って誕生仏であるお釈迦様さまに甘茶をかけて営む灌仏会。

一般的には花まつりと称されている。

それはいつしか日程が変わったようだ。

大師講の婦人の話では付近の田んぼなどから集めたタンポポを屋根に飾っているという。

以前は近くの幼稚園児にも来てもらっていたが何かあったら責任がとれんということで志のある地区の人の参拝を待つことにしたそうだ。

今年は21日にお勤めされる大師講の日に合わせたという。

午前中は花まつり。

昼に会食を食べてからは数珠繰りしてお念仏を唱える。

3月には涅槃の掛け図を掛けてお勤めをしたようだ。

(H23. 4. 8 SB932SH撮影)