マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

下笠間のおんぼさん

2013年04月20日 08時36分43秒 | 宇陀市(旧室生村)へ
甘くて美味しいカキモチをよばれた室生下笠間のⅠ家。

11日は耕作初めの日だそうだ。

出里の隣村である山添村の毛原でもそう呼ぶ。

下笠間ではする家は見当たらないが毛原で行われていた「なるかならんか」。

家のカキの木にアズキのおかいさんを供えた。

父親が「なるかならんかよ」と云うので出かけた。

カキの木にナタをあてるような格好で「なるかあー ならんかー」と声を掛けた。

それに対して婦人が「なります なります」と応える。

「大きな声で言えよ」と父親に云われてしていた「なるかならんか」は小学校にいく前の幼少の頃。

ずいぶんと前のことである。

カキの切り口にはアズキガユを供えていたと云う。

そんな記憶話をしてくれたⅠ家の前庭にあった砂盛りの痕跡。

中央には穴が開いている。

そこに立てたのは葉付きのカシの木。

男の人数分の砂盛りは「おんぼさん」と呼ぶ。

大晦日に立てる家の門松だそうだ。

各家庭によってはクリ、ホウソ、フクラキが用いられると云う。

(H25. 1.11 SB932SH撮影)