マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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長柄のちゃんちゃん祭門飾り

2013年07月19日 08時59分00秒 | 天理市へ
大字兵庫で拝見した各大字の門神さん飾りの記録写真。

気になったのが大字長柄の門神さんである。

兵庫、三昧田、佐保庄とは異なる造り。

土台のクヌギの割木がなくシバが直にある。

台形のような形は砂盛りのように見えた門神さんは中央に幣串、回りは竹を組んだ垣根であった。

長柄では門神さん飾りをカド飾りと呼ぶ。

カドの神さんは外神さん。

それとは別に頭屋家で祀る神さんがあると云っていた。

兵庫の人たちの話によれば一年間も祀る分霊のようだ。

それを確かめたくて立ち寄った長柄の集落。

東西に抜ける街道を通った際にあった忌竹を張る家はO家。

ご了解をいただいて拝見した門神さんは砂盛りではなかった。

写真の画像がそう見えたが台形はシバであったのだ。

屋内に祀っていると云うヤカタは大和神社の分霊のようだが、還ることはないそうだ。

O氏の話によればカド飾りはゴヘイノハサミとも呼んでいる。

忌竹に掛けた注連縄の紙垂れのことなのか、宵宮で奉納する御幣の幣紙のことであろのか聞きそびれた。

長柄はおよそ200戸。

18組に分かれているそうだが西方にある新町は含まれない。

頭屋は前年組から隣組に移る回りである。

大和神社の鳥居下には長柄村の4人が寄進した大燈籠が2基ある。

一つは「延享五辰年(1748)五月吉日」された「大和社常夜燈」だ。

天頂には珍しい鳩の造形がある燈籠は長柄の歴史を語る常夜燈である。

3月24日は公民館に寄りあった。

その場で作った御幣とカヤ。

五合の洗い米を奉書に包んで御幣に括りつけてこの日の宵宮参りを済ませて戻ってきたばかりだそうだ。

明日のちゃんちゃん祭における祭祀について宮総代を相談されていたO家で聞いた頭屋決めの行事。

24日は御幣作りを終えてから次年の受け頭屋を決めるくじ引きをするそうだ。

候補者に挙がっている頭屋家の籤は丸めて三方に載せる


その籤を引くのは頭人児(稚児とも)である。

兄頭人児は弟頭屋を引く。

弟頭人児は兄頭屋を引く。

くじ引きの作法は候補者の籤を頭人児が箸で摘まむのである。

11月25日頃(日曜日辺り)は公民館で「ダンゴ盛り祭」が行われる。

接待のダンゴ汁で会食したのちに分霊を祀ったヤカタを引き継ぐ。

ヤカタは兄頭屋から受け頭屋の弟頭屋へ。

弟頭屋のヤカタは受け頭屋の兄頭屋に引き継ぐ


ヤカタの引き継ぎ、頭屋のくじ引きとも兄・弟頭屋が交互に作法するのが長柄の特徴であろう。

(H25. 3.31 EOS40D撮影)