マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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フレール・ド・シャンソニエレストラン堺店

2013年08月10日 08時30分42秒 | 食事が主な周辺をお散歩
昭和元年生まれにしといてやというおふくろの正しい誕生年は大正十五年の寅歳。

この月には88歳の米寿を迎えた。

祝いに何をしてあげようかと訪ねてみれば「トイレットペーパーとテイッシュペーパーで良い」と云う。

「なんでやねん」と大阪つっこみをしたくなる祝い希望の品物だ。

おふくろが希望する品物がそれになったのは理由がある。

おふくろは末っ子。

兄姉たちは喜んでもらえる米寿の祝いであったが、しばらくすれば病いや死去に至った。

そんな祝いはしてほしくないと云うのだ。

ひっそりつつましくして米寿を迎えたいというたっての希望が選んだ品物が2種のペーパーになった。

なんでペーパーなのかと訪ねた結果。

買い物に行ってペーパー類を買えば大型で重たいと申すのである。

確かにそうだと思う。

祝いの品物を途中で買って向かった先は一人住まいの大阪住之江。

昨年と同様に祝いの食事ばかりは豪勢にと好評だったフレール・ド・シャンソニエレストラン堺店を予約しておいた。

前回は始めての店だっただけに彷徨った堺の地。

帰り道に覚えた行程ははっきりと認識している。

住之江から大和川を越えるとそこが堺市。

川の汚れがワースト1の定位置になってしまった大和川であるが、子供の頃は楽しい遊び場だった。

流れに溜まった砂場では三角野球をしていた。

ボールが三角ではなくベースが三角。

二塁ベースがないのだ。

流れが奇麗だったことは川で泳いだこともある。

畳を数枚重ねて筏遊びをしたこともある。

砂地にはシジミもたくさん採れた。

イナが飛び跳ね、うなぎの稚魚が川を遡っていくぐらいの奇麗な川だった。

郷愁の大和川はときおり夢に出てくる。

大和川を越えて車を走らせる国道は旧26号線。

堺に入って南に行けば、鉄砲町、三宝町、戎島、大浜、出島とくる。

出島は昭和43年(1968)に廃線になった大阪市電の終着駅。

懐かしい路線は北上すれば住之江公園から加賀屋、津守を経て芦原橋に到着する。

高校を卒業するころまでは運行していた大阪市電。

ガタゴトガタゴト走っていた。

大和川大橋より東方のあびこ電車は今でも現役だ。

あびこ電車は地元民の通称で正式名は阪堺電気軌道。

一般的には阪堺電車と呼んでいた路面電車である。

我孫子道駅から乗って堺浜寺公園駅。

当時あった浜寺公園プールで遊んだものである。

帰りに買っていたコロッケの味はとても美味かった。

路面電車で懐かしい出島からは東へ一直線。

泉北へ向かう道路をまっしぐら。

およそ20分の行程は深井手前の北条交差点からすぐだ。

行先の目印は阪和第二泉北病院。

すぐ近くにある「フレール・ド・シャンソニエレストラン堺店」は駐車場がほぼ満車。



ナンバープレートを見れば和泉、堺ナンバーが多いのは当然だが神戸、奈良ナンバーもある。

この日も大勢のお客さんが来ている人気のお店だ。

案内された予約席のテーブルにつく。



注文していたのは前回同様に3500円のプティコース。

誕生祝いに奮発したコースである。

お品書きにはセレクトがそれぞれある。

オードブルより1品にメイン料理も1品を選ぶ。

オードブルの一つは「カナダ産活オマール海老とホタテ貝のセルクル」だ。

それには野菜のマリネ、レモン風味、トルコ麺添えと七面鳥と鴨のパテ、メダイヨン仕立てと書いてある。

もう一品は「鹿児島産かつを炙り(たたき風)とホタルイカのサラダ」だ。

それには焼きナス添えと豚足ラグーと鴨のコンフィー、チーズのせグラニテとある。

どちらを選ぶかお好み次第。

私は1番を選び、かーさんは2番。

ところがおふくろは選べない。

豚、鴨、七面鳥が受け付けないのだ。

店員さんに選択の入れ替えができるのかどうか要望してみた。

結果は叶えてくださったありがたいフレール・ド・シャンソニエレストランの特別計らいで、豚足ラグーと鴨のコンフィーの代わりにカナダ産活オマール海老とホタテ貝のセルクルにしてくださった。



最初に配膳されたのは本日の野菜のクリームスープはオヤイモ。

そう、親の芋なのである。

ちょっと気になった最初のスープ。

味ではなく順番である。

昨年はオードブルの次だったのだ。

一年前と違っていた配膳の順。

ふと気がついた。

前回は前菜があったのでは・・・。

「豚バラのリエット プティ シュー詰め」を食べたことを思い出したが、ないのである。

今回は登場しなかったプティコースの味。

見かけは美しく盛られているが、味の記憶が残っていない。

覚えているのはズッキーニが酸っぱかったことだけだ。

ピクルス漬けなのか。



面白いトルコ麺の盛りつけには驚いたが味がない。

パリパリサクサク感を味わう料理なのであろう。

オマール海老やホタテ貝は食感で判るが・・・。

かーさんはパンを選んだがおふくろと私はごはんにした。

食べやすいようにと箸をくださった。

箸で食べるには椀のほうがと思ったが、お店は洋食。

そればかりは避けたい。

次に配膳されたのはメイン料理。

これも選択制である。

一つは「舌ヒラメとヤングコーンのガレットとゆず風味のホタテソース」。

もう一つは「仔羊のロースト ポアレクリームソースヴァンルージュ」だ。

選ぶのはまだある。

「鴨の胸肉のロースト ソースギガラード」だ。

もう一つある。

「国産牛のロースステーキ ソースマディラ」だ。



三人が一致して選んだのは「国産牛のロースステーキ」。

前回好評だった美味しいロースステーキ。

美味いにつきる。

プラス料金で国産牛フィレ肉のステーキ80gの選択もあるが、それはしない。

ロースが断然に美味いのである。

おふくろが一味にと希望した食塩。

これもお店の計らいで岩塩を用意してくださった。

胡椒を挽くような容器を持ってきた。

こういう点はさすがに得点が高いお店だが、オードブルの味が点数を下げる。



食事を済ませばコーヒー。

アイスを頼んだがどこをどう間違ったのかホットであった。

何人もの店員さんが謝りに来られた。

エスプリデザートもついているプティコース。

デザートが美味しかったことを舌が覚えている。



私が選んだのは「ティラミスシャンソニエ風」。



かーさんは、「とよのかいちごのミルフィール」だ。

おふくろはまたまた頼んだ特別デザート。



「シャーベットメロンのフルーツ盛り」だ。

私たちの気まぐれな要望を叶えてくれるお店はありがたいが、もう飽きた。

(H25. 4.28 SB932SH撮影)