マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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矢田垣内の苗代飾り

2013年08月09日 08時38分29秒 | 大和郡山市へ
今月の24日に見かけた矢田垣内の苗代。

27日ころだと思っていた苗代作りはすでに始まっていたのである。

そこにはお札がある。

垣内は矢田坐久志玉比古神社の宮座の一つ。

もしかと思って出かけたこの日。

田んぼ回りに生えている雑草を刈り取っていたご主人がおられた。

お話を伺えば20日にしたと云う。

朝は7時半。屋内で機械回しのモミオトシをした。

土を被せて苗箱を準備すれば直ちに苗代場に運ぶ。

家のすぐ下なので軽トラで運ぶことはない。

すべてを終えれば水口辺りに花を添えてお札を立てる。

お札は雨に濡れても良いようにビニールカバーをつけている。

外観からは見えないお札の文字は何であろう。

お札を受け取ったのは奥さん。

直接は見ていなかったから判らないが、受け取った状況から矢田山金剛山寺のようである。

昨年は北僧坊で、今年は南僧坊のご住職が配っていたようだと話す。

矢田山金剛山寺は通称矢田寺。

正月初めに修正会を営まれる。

正月2日は牛王加持(ごおうかじ)。

牛のひづめの形をしたご朱印を押したお札が祭壇に供えられる。

導師が祈祷されるお札だ。

祈祷されたお札はお寺に関係する村人に届けられる。

届けるのは毎年交替される四つの僧坊。

念仏院、大門坊、北僧坊、南僧坊からなる矢田寺はその年の代表僧坊が替ることから配る坊も毎年入れ替るのである。

何年か前にも拝見した矢田寺のお札は垣内だけでなく寺村にもあったことを思い出した。

隣家のM家や隣垣内のN家、A家も20日に行っていたと話すご主人に尋ねた家の鯉幟。

息子さんが生まれたときに揚げた鯉幟の支柱は木材だった。

初年目のときは葉をつけたまま揚げた。

2年目は葉を落として風車に取り替えた。

長さはおよそ13mの木は杉だったようだ。

奥さんの出里の平群町に生えていた大木を伐って持ちこんだ。

長い支柱は大型トラックからはみ出す。

布切れを括りつけて運んだ。

支柱はロープを結わえて数人がかりで立てたと云う。

木の支柱と鯉幟は奥さんの出里の祝いであると話す。

(H25. 4.27 EOS40D撮影)