マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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矢田町山田原水口の守り神

2013年08月15日 09時43分47秒 | 大和郡山市へ
矢田町の山田原ではもう一カ所でイロバナがある。

昨年の5月初めに見た苗代のイロバナはこの年もされていた。

イロバナをしていたご主人は山田原垣内の住民T氏。

昭和2年生まれの86歳だそうだ。

今年の苗代作りは前日の28日に行ったと云う。

苗代を作り終えて水口に花を添えた。

それがイロバナであるがお札は特に見られない。

イロバナを水口に挿すのは水口を守る神さんだと云う。

或いは水の番だとも話すTさん。

この年はツツジとビシャコを挿したが、かつては山に生えていた松の芯もその場に挿していたと云う。

松の芯はローソクのような形をしている。

その松は枯れてしまって消えた。

それからはしなくなったと話す。

その昔のことだと前置きされて語った水口の守り神。

当地の山田原付近では竹に挟んだお札を見たことがあると云う。

そのお札は春日さんのお札だったのか、それとも寺のお札であったのか判らない。

春日さんであれば御田祭神事後に配られる松苗だ。

お札であると想定するのなら近くの松尾寺か矢田寺であろう。

T氏の苗代には何本かの曲げた竹が見られる。

これは犬除けの竹。

ヤライと呼ぶ。

田んぼを荒らすのは、犬だけでなく人間も居る。

特に子どもであると話す。

母親に連れられた子どもが田んぼを走り回る。

畦道を一般道だと思い込んでいた母親と子ども。

田んぼは畦道も含めて所有者の領地。

畦道や田んぼに入って荒らすのは止めてほしいと伝えたときの返答が「一般道」。

これには驚いたと話す。

山田原の北側は何十年も前に大規模開発された新興住宅地。

引っ越してきた町暮らしの新住民は田んぼの大切を知らないと零すご主人の話しであった。

(H25. 4.29 EOS40D撮影)