マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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海知町のヤマモリ

2014年01月17日 09時51分41秒 | 天理市へ
田原本町の法貴寺地区では9月7日に弁天さんのヤマモリを行っている。

御湯の儀を終えたその夜である。

拝殿の前庭に各家が持ち寄った弁当を広げて食べる夜の会食を「ヤマモリ」と呼ぶのである。

村人とともに会食をされていた法貴寺・池坐朝霧黄幡比賣神社宮司からお聞きした「ヤマモリ」。

それは「山盛り」ではなく、おそらく「夜籠り」が訛って「ヤゴモリ」に転じて「ヤマモリ」の呼称になったのであろうと話していた。

先日にヨミヤの御湯をされた斎宮神社においても、かつては雨乞いを願う「ヤマモリ」があった。

「雨降らんか、降らんかったら雨乞い、降ったらヤマモリ」だと云って境内で弁当を食べていた。

それを済ませば必ずと云っていいほど雨が降ったという。

田原本町では法貴寺地区以外に佐味、宮古、黒田の各地区でもされてようである「ヤマモリ」。

9月初めにシンカン祭が行われた天理市海知町においても「ヤマモリ」をしていると云っていた。

場は各地同様に神社境内であるが、この日に訪れた夕刻の時間帯。

倭恩智神社境内には誰一人として姿が見られない。

何かがあったのだろうと、度々お世話になっている氏子さんに電話をした。

返ってきた答えは、「台風の影響で境内では弁当を広げることは不可と判断して早々に公民館へ場を替えた」だ。

馴染みの顔ぶれが揃って、持ち寄ったお酒はパック詰め料理を肴に歓談の場。

和やかな時間が過ぎていくが、各地の台風の影響は村の人にも伝わっていた。

下市では住民が避難した、奈良-大阪間を通る阪奈道路も崖が崩れたと報告される。

大阪を流れる大和川が洪水の恐れがあるとテレビニュースが伝えていた。

住民安否を確認してきた村人たち。

何事もなかったが、会社関係の従業員の安否状況も掴まなければ・・・と話す氏子はこの場でも電話を離すことができない。

台風18号の影響は大規模エリア。

海知町の神社境内は北風に煽られて鎮守の森が荒れるほどだった。

そのような状態ではゴザを敷くどころではない。

今回の「ヤマモリ」は特別だと云って公民館に切り替えていたのである。

かつては各家が作ったご馳走を持ち寄って食べていた。

豪華なご馳走は徐々に派手さが生じてきたこともあって、一定金額のパック詰め料理に転向したそうだ。

(H25. 9.16 EOS40D撮影)