JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

雲の表情 Focus / Thirteen ways

2012-10-04 21:18:58 | 聞いてますCDいいと思う


リーダー名を冠さないで、グループ名をつけたアルバムは見過ごすことがおおいけれど、昨日記事にした、中古屋さんでリーブマンと一緒に拾った一枚。フレッド・ハーシュしか知らないけれど、リードとドラムスとのこちらも変則トリオ、こっちはピアノがはいってベースレスです。

1曲目、クラのソロから静かにピアノが絡んでくる始まり、ベースは時に必要でないときがあるけれど、このアンサンブルがそんな感じ。
2曲目ベースの領域はピアノが担当、インプロとアンサンブルが幾重にかなさる感じです。
アルバムタイトルが「focus」でグループ名が“Thirtiin Ways”らしい。ジャケは空の雲にフォーカスを当てているようです。



今日は台風の影響で家を出るころはまだ雨模様、このアルバムを聴いていたら空の雲の動きが気になりだして、出勤途中、音楽を聴きながら雲をながめます。





3曲目、“マシュー・シェパードにささげるブルース”の副題のある曲、この人21歳のときにヘイトクライムでララミーで殺された大学生、録音の前年のことでアメリカで大きな問題となった。
演奏は美しいピアノにはじまり、クラが雲に隠れた影の部分をだんだんとシャープにしていく感じで激しい感情に登りつめます。



4曲目。フレーズの宝庫のようなハーシュのピアノに、肉声に近い音域のクラが歌って、リズムがしっかりサポートするいう良い取り合わせです。
5曲目はクラがフリーの展開です。





事務所について空をながめるとだんだん雲が変化していく段階、音楽のほうも変化にとんだ演奏です。
6曲目は哀愁はらんだメロディのハーシュの曲、クラは東欧スラブ風な感じ。
7曲目結構激しいムーアの曲、この人広いジャンルを演奏する人だそうです。
8曲目、このグループ、ムーアが4、ハーシュが3、ドラムスが2という感じ、アレッ計算があわないか。
ここではアルトを吹いていて、音も良いし、アルトになるとフレーズにバップ・フレーバーが混じるのがおかしい。



10曲目はジャキー・バイアードの曲をバスクラで、バスクラの演奏って結構アバンギャルドな感じが多いけれど、この楽器の音域が人が憂鬱を語る時の音程に似ているからだと思う。





最後の曲はハバネラでこれも変わった表情、フリーをベースにしながらオーソドックスな部分、リリカルな部分など、一寸とらえどころの無い雲の表情にフォーカスしながらのアルバムでした。

そしてしばらくすると雲はまるで違った表情に、少し憂いていたものが変わりました。

Focus / Thirteen ways

Michael Moore-clarinet, bass clarinet, alto saxophone
Fred Hersch-piano
Gerry Hemingway-drums, snare drum, percussion

1. Focus
2. Janeology
3. Out Someplace (Blues For Matthew Shepard)
4. Autumn Eves
5. En Tee
6. Tango Bittersweet
7. Bug Music
8. Fim De Inverno
9. Identity
10. One Note To My Wife
11. Habanera


コメント (2)
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