JAZZ最中

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比較は意味がない Somewhere / Keith Jarrett

2013-05-17 21:55:02 | 聞いてますCDおすすめ


Keith JarrettとGary Peacock、Jack Dejohnetteのトリオの新しいアルバムが出ていることは知っていたけれど、せっかくだからBunkamura、オーチャードの会場で買うのも記念かと5月15日の日本での最後のトリオ演奏といわれる日に買ってきた。(なんと包みは山野だったけれど)(ポイントつかなかった)

さてどっちが良いかなどと考えたくないので、興奮をしずめで一日おいておいて聞いてみました。

このトリオのアルバムが新しくリリースされるのは10年ぶり2002年以来だそうで、これだけのものがあるのならばもう少し早く出してほしかった。
というのもアルバムでキースを追いかけているのであれば、2008年の「Testment」次に並ぶこれは2011年の「Rio」の前に欲しいところだった。
ソロとトリオは別物と考えるのであれば、今回の来日の前、このアルバムが録音された2か月後の9月23日のトリオをオーチャードで見ているので、その意味アルバムと生も別物と見た方が良いかもしれません。
(この時のトリオ演奏はあまり良いとは言えなかった。)

選びに選んでアルバムにしたものとライブの不可は別物、ライブを見に行けなかった方のためにいうならば、このアルバムの演奏の方が、フレーズが生まれる喜び、次にどうなるかの緊張、没頭などストレートに伝わります。
1曲目、キースのフリーのインプロヴィゼーションのような“Deep Space”(短いのがとても効果的)から“Solar”のフレーズの出た時の驚きと安堵、ライブのすばらしさが伝わります。
「アラバマに星堕ちて」の楽しげな優しさもリラックスします。キースの曲とつながる“Somewhere/Everywhere”のキース得意の繰り返しも、選別されたものとして楽しむことができます。
ピーコック、ディジョネットの音の切れ、太さもやはりこのアルバムで素晴らしさを確認できます。

さて今回最後の演奏といわれるのは、誰もが考えるようにピーコックの年のためと思われます。
キースは緊張感の持続はソロ演奏で実証ずみですし、ディジョネットもキースにあわせるでしょう。
長い間このトリオを見てきたファンは、跳ねるようなフレーズのピーコックのインスピレーションを記憶に残しているでしょう。
スタンダードを反応し合いながらすすめるこのキースのトリオの演奏において、ピーコックがそのトライアングルの一角を維持することが難しくなっていると思います。
ですからこのアルバムのピーコックの演奏は、とても貴重な素敵さを残すでしょう。
(昨日書いたように、15日のピーコックはしり上がりによくなって、観客を楽しませてくれました。)

素直に書いていったら、結局比較になってしまっている。

Somewhere / Keith Jarrett Gary Peacock Jack Dejohnette

Keith Jarrett (p)
Gary Peacock (b)
Jack DeJohnette (ds)

Prodcuer : Executive Producer / Keith Jarrett : Manfred Eicher
2009年7月11日スイス、ルツェルンにてライヴ録音

01. Deep Space (Keith Jarrett) / Solar (Miles Davis)
02. Stars Fell On Alabama (Frank Perkins)
03. Between Devil And The Deep Blue Sea (Harold Arlen / Ted Koehler)
04. Somewhere (Leonard Bernstein / Stephen Sondheim) / Everywhere (Keith Jarrett)
05. Tonight (Leonard Bernstein / Stephen Sondheim)
06. I Thought About You(Jimmy van Heusen / Johnny Mercer)
コメント (4)
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