MT-DRACO

My Last Summer Wine
-『少年』の心を持つクルマ趣味人へ-

アバルト500 足回りチューニング<調律>

2011-01-23 16:44:20 | FIAT

MT-DRACOスポーツスプリングのバネレートについてのお問い合わせがよくあります。

ただ、注意が必要なのはプログレッシブレートのスプリングの場合立ち上がりから荷重が掛ると

バネレートは可変しますので単純な数値だけでの比較はあまり意味がありません。

因みに純正スプリングはどうなっているのかリヤスプリングを比較しますと以下の数値でした。

 

 

       FIAT500 1.2L    FIAT500 1.4L    ABARTH500

自由長    276.4mm       270.0mm        273.0~276.0mm

バネレート  34.4~34.6N/mm   40.1~40.8N/mm    34.4~34.5N/mm

データからの判断ですと、どうやら1.2L・1.4L・アバルト500 いずれも同じスプリングを装着されていると

思われますが、特に自由長のバラツキは無視出来ない公差です。

 

因みにMT-DRACOのスポーツスプリングは以下の設定です。

 

自由長    258.0(公差+21.0mm・-5.0mm)

バネレート   36.0~47.0N/mm

単純比較ですと大きな違いが無いように思われますが重要なのはゼロ荷重から1~1.5G荷重

(要するに動き出して20~50km領域)への変化が実際の乗り心地に大きく影響します。

因みに既存アイバッハ製スプリングの場合は 25.0~50.0N/mmの設定ですので数値だけみると

MT-DRACOオリジナルよりもむしろソフトなバネレートと思われますが此方は動き始めから即50.0N/mmの

特性です。

余談ですが・・・ スプリングのレッドカラー、アイバッハ直巻きスプリングと同様の濃いめの赤です。

一般に競技志向のスプリングは立ち上がりから設定バネレートに持っていく方が応答性も良くなります。

この辺りがまさに商品コンセプトによって大きく仕様が異なります。

 

特に都市部での実用領域からワインディングロードでの心地よいハンドリングを望まれるオーナー様には

自身を持ってお勧め出来るスポーツスプリングです。

Front spring

 

もっとも・・・  足回りのセッティングの答えは一つでないのがなかなか難しい所(楽しい?!)。

何人かのお客様からより幅広いセッティング要望を頂いており現在全長調整式車高調と純正置き換えの

リヤショートストローク減衰調整ダンパーを開発中ですのでご期待下さい。

 

 

 

 

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チューニング<調律>

2011-01-12 11:21:09 | FIAT

チューニング・・・

ともするとパフォーマンスアップがすぐにイメージされると思いますが MT-DRACO が考えるチューニングは性能アップと同時に

トータルバランスを重視した<調律>が重要と考えてます。

FIAT500&ABARTH500のチューニングに関しても最初に手掛けたのは排気系と足回りでした。

特に純正マフラーに関しては残念ながら低中速時のゴロゴロ音は何とかしなくてはと考えてSACLAMさんと一緒にかなりの時間を費やして開発しました。

 

ABARTH500

  

FIAT500

 

ラテン系コンパクトハッチですから低中速時の野太い音質でなく心地よい乾いたサウンドと高回転時の高周波の揺らぎ音が他社のマフラーと比較した際に決定的に異なる音作りを行ってます。

又、リヤサイレンサーの接続方法も通常のUジョイトを使用しての差し込みは遅かれ早かれ排気モレにつながりますので少量生産にも関わらず高価な金型作製の上高精度なジョイントとしてます。    特に取り付け作業を行っている方でしたらこの部分の工作精度の違いはご理解願えると思います。

   

 

(輸入物の装着には排気モレの為のコーキング材は必需品ですからね)

 

 

そして、今回はスポーツスプリングに関して使用時の異音を検証致しました。

昨年夏頃にスポーツスプリングを装着して頂いたH氏。  ラテン系エンスージヤストのH氏、毎年フレンチブルーミーティングに参加されてるようで、ニューチンクはルノートゥインゴからの乗り換えとの事。

装着後暫くしてメールを頂き、どうもご自宅の集合住宅敷地内の走行スピードを抑える為のギャップで後方からギシギシ音が出るとのご報告。    この場合、通常のアフターパーツメーカーですとこういった内容はまず 「お客様相談室」 的な部署につながれてお買い上げ及び装着したショップ・代理店経由にて連絡下さい・・・  となりその後開発担当者へ連絡・・・・

で、大抵は担当者自身も開発時の資料データを見ての対応しか出来ませんので・・

(そもそもその車両に乗ったことすらなかったりして)

現物を送っていただけたら検証確認します・・・

現物確認後特に問題がなければパーツ返却となります。

 

MT-DRACO としてはエンドユーザー様と同等もしくはそれ以上の実走行を繰り返してのパーツ開発を行っていますのでこういったご連絡はとても貴重と考えてます。

その後、H氏宅を訪問、リヤからの異音に関して検証を行ってみると・・・

スピードダウンが目的の高さ10cm程のギャップが幾つか設置されており状況としては同時に2輪がそのギャップを乗り上げて更に降りる際にギシギシ音が発生。     

ところが、 MT-DRACO号で同様に走行してみると異音がしません・・・・?!

こういった音の問題は結構厄介なんですが最終的にはアイバッハジャパンさんにもご協力願って後日検証と相成りました。

 

 

 

スプリングその物の精度に関しては通常品よりも更に厳しい全品検品を行っているので私自身は安心していたのですが、担当者はヒヤヒヤ物?! でチェック。

 

結果は完全に公差内に入っており問題なし!

次にスプリング自体に巻いてあるサイレントチューブ、設計時の巻き始めから270°の指定に対して若干(10mm)ズレがありましたが

特に重大な問題にはならないとの事。

 

さてさて・・・  再び車両に装着。

比較の為にリフト2台占有しての検証・・・

両方を色々と比較検討している内に、本当に微妙な差ですが装着時のスプリングへのプリロードの掛り具合が違う・・

ひょっとして・・・    純正ダンパー・・・

両方のクルマのダンパーを外してみると・・・

本当に微妙なんですが、MT-DRACO号のダンパーと比較すると約10mm長い!!

因みにこのダンパー、聞いたことがない?! ブラジル製です。

   

その後、ディーラーさんにもご協力頂いて10数台のFIAT500&ABARTH500のスプリングとダンパーをチェックしましたが

バラバラ・・・

多少時間が掛るかもしれませんが現在進行中の車高調の開発と同時進行にて純正置き換えショートストロークダンパーも検討しようと

思います。

 

 

今回は、最終結論に達していませんがH氏のチンクにショートストロークダンパーを装着の上一旦車両をお返ししました。

その後のご連絡では、異音に関してかなり改善されたとのご連絡です。

私自身、両方のダンパー仕様違いで実走行しましたがショートダンパーの方がリヤの追随性が良いように思いましたが本当に微妙な差で

殆ど気がつかないレベル。

 

 

 

で、今回の足回りからの異音は通常の道路環境での使用では遭遇しない極低速時に両輪が同時に乗り上げるギャップではショートストロークタイプのダンパーである程度プリロードを掛けた方がベターという事になります。

検証結果のデータですとか詳細に関してはご興味ありましたら別途ご連絡下さい。

 

 

 

コメント (2)
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新年あけましておめでとうございます。

2011-01-01 00:01:53 | Weblog

 

 

皆様、本年もどうぞ宜しくお願い致します。

今年も、本物を見分ける『少年』の心を持ち続けるクルマ趣味人の方々に心地よさを実感して頂ける提案が出来るように

頑張りたいと思ってますのでどうぞご期待下さい。

 

 

 

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