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ジャズ ビル・エヴァンスについて

2005-05-08 13:39:20 | 音楽
 日本版プレイ・ボーイ6月号は、「ビル・エヴァンス特集」である。ビル・エヴァンスのCDを買ったきっかけというのは、マイクル・コナリーの作品「シティ・オブ・ボーンズ」のなかにこんなくだりがある。

 “ジュリア・ブレイシャー(巡査)は、立ったままボッシュ(刑事)の家のリビングで、ステレオ横のラックに収納されたCDを眺めていた。「私もジャズが好き」キッチンにいたボッシュは「誰が好きなんだい?」と聞く。「うーん、最近はビル・エヴァンスね」ボッシュはうなずき、ラックへ近づくと《カインド・オブ・ブルー》を抜き出した。「ビルとマイルスだ」と言い、「コルトレーンやほかの何人かはさておくとして、最高の一枚だ”

 ビル・エヴァンス・トリオのニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴCDにも触れ、ディナーにうってつけという。ブレイシャーは、「ビル・エヴァンスは日本では神」だとも言う。

 ここ2年ほどカントリーからピアノ・ジャズに関心が移っていて早速手に入れたのは、エヴァンスの代表作といわれる「Waltz for Debby」と「Sunday at the Village Vanguard」だった。聴いていいなと思ったのは「Waltz for Debby」で、気分良くさせられる。エヴァンス特集によると、この二枚は1961年6月25日日曜日、同時に録音されたようだ。しかも聴衆はごくわずかで話し声やまばらな拍手が印象的だったそうだ。名作も最初はあまり注目されていなかったと見える。

 最初この「Sunday at the Village Vanguard」のモノクロのジャケットを見て、ビル・エヴァンスの度の強い眼鏡と節くれだった手がより神経質な印象で近寄りがたいと思った。ところがこの特集のエヴァンスは、何枚もの写真で貴公子然としたものから、口元にほんの少しの微笑を浮かべたもの、ベース奏者と打ち合わせのとき額をかくしぐさのものなど等身大で近しいものに感じさせてくれる。その上、「Waltz for Debby」は、1950年中ごろ姪のデビー二歳くらい頃の印象をもとに作曲されたものという。現在デビーは、二人のティーンエイジャーの53歳の母で、コネティカット州に住んでいる。このように曲の作られた背景や状況が分かってくるとより身近に感じられる。

 クリント・イーストウッドは、「出来ることなら、ビル・エヴァンスの伝記映画を作りたいね」と言っている。ぜひ、作ってもらいたい。

 ジャズ・クラブ「Village Vanguard」は、今もグリニッチ・ヴィレッジで、毎夜ライヴを提供して盛況のようだ。私は、ウォーキングや車の中、あるいは自宅でビル・エヴァンス・トリオを楽しむことにしよう。
コメント (2)
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