子供のころ、透明人間になりたいと思ったことが誰にでも一度はあるのではないだろうか。果物屋さんやお菓子屋さんの店先の美味しそうな食べ物を見ると、チョットいただいて行こうかなといたずら心が頭をもたげ、透明人間なら堂々といただけるかも?とつい思ってしまう。
この透明化の使い道を考えてみると、透明なスパイから透明なテロリスト、透明爆弾、透明飛行機、透明軍事施設。これらが実現したらと思うと胸が悪くなる。透明化に異常な関心を示すのは、よからぬ人間がよからぬことに使いたがるからだ。
しかし、透明になったからといってすべてが都合よくなるわけではない。透明人間も、暑い日には熱気を感じるし熱気を感じれば汗をかくが、いくら日差しを浴びても日焼けはしない。太陽のおかげでビタミンDが十分に得られ有害な紫外線は悪影響を及ぼさない。鏡に自分の姿が映らないのが難点だが目じりや喉に指で触るとすべすべしている。濡れたときには姿が現れ鏡でおぼろげな自分を見ることが出来る。ただ食べたものは消化するまではその醜悪さが外から見える。衣類をつけても顔や手の肉体は透明で衣類だけが浮き上がる。透明の衣類なら話は別だが。この本もまさに透明化の人体実験に端を発する。
ローガン・グリフィンとその夫タイラーは、3万ドルでテスラ・プロジェクトの人体実験に応じた。キーンという鋭い音とともに強烈な光が炸裂して透明化されるが、ローガンは何故か騙された気がしてその場を逃げ出す。
フロリダ州エヴァーグレイズ国立公園で、キャンプ休暇を過ごすため訪れた医師のアンディ・タウンゼント、不動産セールの妻レニーと娘のケイティの三人はカヌーでキャンプ地を探すうち、迷ったらしく人間も野生動物もいない村に行き着く。そこで強烈な光の洗礼を浴び透明化される。
モニターで見ていたテスラ・プロジェクトのリーダーはこの三人を被験者不足には好都合とばかり捕まえにかかる。追跡と反撃。銃創を負って瀕死の状態にあった男に手のひらをかざし、眼窩を裏向けて精神を集中すると傷が閉じ癒えるという呪術によって解放されたりしながら、物語はハッピー・エンドで幕を下ろす。
著者はかなりの作品を書いていて超能力や超常現象など現代科学では解明されていない分野が主なテーマで、臨死体験、UFOによる誘拐、霊能ヒーリング、精神感応、予知能力、霊視などである。
この本のテスラ・プロジェクトのテスラは、ニコラ・テスラのことで訳者あとがきや百科事典から引用すると、“Nikola Tesla1856年7月10日生1943年1月7日没旧ユーゴスラヴィア電気技師・発明家。一般には交流モーター、交流発電機、高周波コイル、遠隔無線操縦、高周波照明、高周波治療システム、X線装置などの発明者とされている。その業績はノーベル賞の有力候補にのぼり、磁気の国際単位にその名をとどめる。1884年にアメリカに渡り、エジソン電灯に採用されたが、エジソンは直流電流、テスラは交流電流を提案して対立。テスラは交流電力事業を推進し、後に交流が主流になった。以来エジソンとは確執が深まる。奇人扱いもされていて、女性に関心がなく、一生を独身で通し、晩年は人間よりもハトを相手にする方を好んだ。テスラの研究には、人工地震、レーダーや誘導ミサイル、殺人光線など兵器に転用できるものがあったため、彼の未発表論文やノートなどは死後、米国政府に押収され極秘とされた。”
著者T・J・マグレガーは、このうち磁気にヒントを得たようだ。1947年ヴェネズエラ生まれ。大学卒業後、スペイン語の教師やトラベル・ライターを経て、作家となる。デビュー作は1985年の「ささやく影」。「エヴァーグレイズに消える」は2003年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞の最優秀ペーパーバック賞を受賞している。
この透明化の使い道を考えてみると、透明なスパイから透明なテロリスト、透明爆弾、透明飛行機、透明軍事施設。これらが実現したらと思うと胸が悪くなる。透明化に異常な関心を示すのは、よからぬ人間がよからぬことに使いたがるからだ。
しかし、透明になったからといってすべてが都合よくなるわけではない。透明人間も、暑い日には熱気を感じるし熱気を感じれば汗をかくが、いくら日差しを浴びても日焼けはしない。太陽のおかげでビタミンDが十分に得られ有害な紫外線は悪影響を及ぼさない。鏡に自分の姿が映らないのが難点だが目じりや喉に指で触るとすべすべしている。濡れたときには姿が現れ鏡でおぼろげな自分を見ることが出来る。ただ食べたものは消化するまではその醜悪さが外から見える。衣類をつけても顔や手の肉体は透明で衣類だけが浮き上がる。透明の衣類なら話は別だが。この本もまさに透明化の人体実験に端を発する。
ローガン・グリフィンとその夫タイラーは、3万ドルでテスラ・プロジェクトの人体実験に応じた。キーンという鋭い音とともに強烈な光が炸裂して透明化されるが、ローガンは何故か騙された気がしてその場を逃げ出す。
フロリダ州エヴァーグレイズ国立公園で、キャンプ休暇を過ごすため訪れた医師のアンディ・タウンゼント、不動産セールの妻レニーと娘のケイティの三人はカヌーでキャンプ地を探すうち、迷ったらしく人間も野生動物もいない村に行き着く。そこで強烈な光の洗礼を浴び透明化される。
モニターで見ていたテスラ・プロジェクトのリーダーはこの三人を被験者不足には好都合とばかり捕まえにかかる。追跡と反撃。銃創を負って瀕死の状態にあった男に手のひらをかざし、眼窩を裏向けて精神を集中すると傷が閉じ癒えるという呪術によって解放されたりしながら、物語はハッピー・エンドで幕を下ろす。
著者はかなりの作品を書いていて超能力や超常現象など現代科学では解明されていない分野が主なテーマで、臨死体験、UFOによる誘拐、霊能ヒーリング、精神感応、予知能力、霊視などである。
この本のテスラ・プロジェクトのテスラは、ニコラ・テスラのことで訳者あとがきや百科事典から引用すると、“Nikola Tesla1856年7月10日生1943年1月7日没旧ユーゴスラヴィア電気技師・発明家。一般には交流モーター、交流発電機、高周波コイル、遠隔無線操縦、高周波照明、高周波治療システム、X線装置などの発明者とされている。その業績はノーベル賞の有力候補にのぼり、磁気の国際単位にその名をとどめる。1884年にアメリカに渡り、エジソン電灯に採用されたが、エジソンは直流電流、テスラは交流電流を提案して対立。テスラは交流電力事業を推進し、後に交流が主流になった。以来エジソンとは確執が深まる。奇人扱いもされていて、女性に関心がなく、一生を独身で通し、晩年は人間よりもハトを相手にする方を好んだ。テスラの研究には、人工地震、レーダーや誘導ミサイル、殺人光線など兵器に転用できるものがあったため、彼の未発表論文やノートなどは死後、米国政府に押収され極秘とされた。”
著者T・J・マグレガーは、このうち磁気にヒントを得たようだ。1947年ヴェネズエラ生まれ。大学卒業後、スペイン語の教師やトラベル・ライターを経て、作家となる。デビュー作は1985年の「ささやく影」。「エヴァーグレイズに消える」は2003年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞の最優秀ペーパーバック賞を受賞している。