Wind Socks

気軽に発信します。

映画 「クリミナル(‘04)」巧妙な罠でプロ詐欺師を嵌める

2006-06-15 12:59:18 | 映画
 劇場未公開というのが信じられない。私にとって画面に集中でき、最後にニヤリとさせられるのは久しぶりのことだ。
                
 プロの詐欺師リチャード(ジョン・C・ライリー)は、ロスアンジェルスのカジノで仕事の相方を探していた。そこへつり銭詐欺を実行中のロドリゴ(ディエゴ・ルナ)が現れる。
 リチャードは刑事を装って逮捕、連れ出す。車で移動しながら実技指導をする。ある家の高齢者のインターフォンで甥を名乗り、交通事故の寸借詐欺やガソリンスタンドではガソリン代を払わせるという巧妙な策を見せ、コーヒー店では支払ってもいない100ドルを、大声を出すことでせしめるというケチなことまでやる。
 
 こんな男だから親の財産を独り占めにするという策もやすやすと練り上げてしまう。リチャードには、妹ヴァレリー(マギー・ギレンホール)と弟がいるが、妹は兄を相手に裁判を起こしている最中だ。
 そんな折、妹が勤務しているホテルに呼び出されてみると、たれ込み屋のオチョア(ジット・カザン)がおいしい話を持ちかけてきた。
 「銀証券を偽造した。義理の息子が財務省に勤めていて、保管してある写真を使った。取引相手は、モナコ国籍のビジネスマンで古紙幣の収集家のハ二ガン、明日出国しなければ税免除の滞在期間を超えすべての収入が課税対象になる。その額は数千万ドルという。今日中に取引を成立させる必要がある」という。
 リチャードはウラをとるため義理の息子の話を聞く。その話とは、「金証券と銀証券は、1934年に市場から回収され大部分は現金化されたが、収集家は手放さなかった。財務省は証券をリスト化し行方を把握している。だが、副署された3枚だけは除外された。公売に付された記録はない。財務省はこの3枚は何かの原因で紛失したと考えている。もし、見つかったらアメリカの歴史上もっとも高額な通貨になる」これで決まりだ。どんどん行こう。
                
              左からジョン・C・ライリー  ディエゴ:ルナ  マギー・ギレンホール
 
 これからが、なかなか面白い展開になっていく。通常は脇役を専門とする俳優たちが演じるドラマで、演技力を標榜しているだけあって人気だけの俳優とは一味違う。

 監督グレゴリー・ジェイコブズこの作品が初監督。製作にスティーヴン・ソダーバーグ、ジョージ・クルーニが関わっていて、スティーヴン・ソダーバーグは、1963年1月ジョージャ州アトランタ生まれ。‘89年「セックスと嘘とビデオテープ」で監督デビュー。’00年「トラフィック」でアカデミー監督賞を受賞。この人は監督、脚本、撮影、製作など幅広い活動をしている。
キャスト ジョン・C・ライリー1965年5月イリノイ州シカゴ生れ。バイプレイヤーとして、’02年「シカゴ」でアカデミー助演男優賞にノミネートされる実力派。ディエゴ・ルナ1979年12月メキシコシティ生れ。ケヴィン・コスナーの「ワイルド・レンジ」、スティーヴン・スピルバーグの「ターミナル」などにも出演。‘01年ヴェネチア国際映画祭で新人俳優賞を受賞。マギー・ギレンホール1977年11月カリフォルニア州ロスアンジェルス生れ。弟に’05年アカデミー監督賞のアン・リー作品「ブロークバック・マウンテン」に出演しているジェイク・ギレンホールがいる。彼女自身は、‘02年ゴールデン・グローブのコメディ/ミュージカル部門の女優賞にノミネ-トされた実力派女優。ピーター・ミュラン1960年スコットランドピーターヘッド生れ。芸歴が長く監督、脚本も手掛ける。’98年カンヌ国際映画祭で男優賞、‘02年英国アカデミー賞オリジナル脚本賞をそれぞれ受賞している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする