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読書 ブラッド・メルツァー「運命の書」

2008-04-05 14:22:05 | 読書

               
 七月四日の独立記念日、フロリダ州デイトナで行われるNASCAR(全米自動車競走協会)の伝統のレース、ペプシ400のスタートの旗を振るマニング大統領の補佐官として随行していたウェス・ホロウェイは、生涯にわたる心と顔に傷を負う。
 大統領の側近で友人のロン・ボイルが暗殺者の狙撃の流れ弾に当たる。この原因がロンを無理に大統領専用車に乗せたためだとウェスは心に悔恨を抱える。
 それに加え流れ弾は、ウェスにも顔の神経をずたずたにして笑顔すら浮かべることが出来ない奇怪な跡を残す。ところが8年後のマレーシアで、死んだはずのロン・ボイルを見る。顔は整形のため違っているが、目は確かにボイルだと確信する。
 急に浮かんだ謎を解明するウェス。謎に包まれたザ・スリーは、CIA、FBIそれにシークレット・サービスの構成員からなっていた。現代は如何に最新で確実性の高い情報を得るかが重要な課題となっている。
 ここにある情報があるとする、CIA,FBI,シークレット・サービスがそれぞれ調査をして確実性を確認すれば正に情報は高価なものになる。ザ・スリーはまさしくでっち上げた情報を売り込み、国家から金を掠め取る陰謀を持っていた。
 おまけにフォー、四番目の人物として驚愕の大統領夫人が明らかになる。筋書きはエンタテイメント性が高く興味は尽きないが、出来栄えはそれほどでもない。散漫という印象が強い。著者の作品「最高裁調査官」「好敵手」「大統領法律顧問」といずれも読み手に満足感を与えたので期待したが。
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