この映画はひどく疲れる映画だった。ロシア・モスクワの路上を駆け抜けるシーンから始まり、ニューヨーク・イースト・リヴァーに飛び込むまで、画面を見るのに目が回るほどの忙しさ。
ストーリーはきっちりと組み立ててあって、デヴィッド・ストラザ-ン(グッドナイト&グッドラック)、スコット・グレン(羊たちの沈黙)、アルバート・フィニー(エリン・ブロコビッチ)、ジョーン・アレン(ニクソン)たち脇役の存在感のある演技のおかげで、アクションとサスペンスの融合が見られた。
映画サイト「allcinema」の書き込みには投書者全員が褒め称えているのには驚いた。賛否両論が並存するのが通常なのに。私は疲れて脱力感が残ったが、これは歳のせいなのだろう。甘いラヴストーリーを観るのが無難かもしれない。
マット・デイモンの相手役女優ジュリア・スタイルズは、3部作に全部出演しているが本作で一番出番が多い。顔の一つ一つの造作、目がきれいで印象的でもないし鼻筋がすっきりと通っているわけでもない、また唇がセクシーでもないのにどこか魅力的に見える。不思議な女性だと私は感じた。
監督ポール・グリーングラス1955年8月イングランド生まれ。‘02実在の事件を徹底したドキュメンタリータッチ手法で撮り上げた「ブラディ・サンデー」が高い評価を受け、ベルリン国際映画祭で見事金熊賞を受賞、一躍注目の映画監督となる。’04には「ボーン・スプレマシー」の監督に抜擢されヒットを放つ。
キャスト マット・デイモン1970年10月マサチューセッツ州ケンブリッジ生まれ。‘97「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」でアカデミー脚本賞を受賞。同作で俳優としても主演男優賞にノミネートされる。ボーン・シリーズで骨太のアクションを披露。
ジュリア・スタイルズ1981年3月ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。ボーン・シリーズ全作に出演。