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映画 デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ「アメリカンギャングスター(’07」

2009-01-09 10:00:18 | 映画

           
 これは実話だそうだ。ニュージャージーの警官リッチー(ラッセル・クロウ)は、まれに見る高潔な男だった。麻薬ディーラーの車のトランクを開けると、おびただしい現金の束が見つかった。相棒は横取りしようと言うがリッチ―は頑として譲らない。同僚からはあまり歓迎されない。
 しかし、上層部はリッチ―に麻薬特捜班を任せる。ニューヨークの黒人の裏社会で絶大な権力と人気を誇っていた男が死んだ。その男に長年仕えてきたフランク(デンゼル・ワシントン)がその跡を継いだ。
 時はベトナム戦争真っ只中。フランクは軍を利用して純度100%のコカインを密輸入する。莫大な利益を上げ豪壮な邸宅に母親や兄弟やいとこを呼び寄せて、男どもには仕事を手伝わせていた。ニューヨークの悪徳刑事トルーポ(ジョシュ・フローリン)に金を巻き上げられるのは授業料と思うことにした。
 しかし栄華は長く続かない。リッチ―の地道な捜査が実を結ぶときがきた。日曜礼拝を終えフランクが表に出たとき、教会の周囲は制服警官で包囲されていた。向かいの舗道の車に寄りかかって、にやついているリッチーと眼が合った。
 リッチ―の追及は厳しく、ギャングの逮捕だけでなく悪徳警官にも及んだ。こういう裏社会と司法機関を描くのはよくあるパターンだけに一歩間違えば失敗作になる。わたしは失敗、成功のどちらでもないと思う。中途半端の印象が強い。
 まず、登場人物が多すぎる。ギャングにデンゼル・ワシントンでいいのだろうか。画面から悪の匂いが漂ってこない。白昼借金を返さない男を、街中で射殺するという無法地帯を思わせるシーン。導入部で、路地で男にガソリンをかけライターで火をつけるシーン。これらでギャングの非情さを出そうとしているのか。イタリアン・マフィアになった俳優も迫力不足だ。2時間30分はチョット長い気がする。 監督 リドリー・スコット1937年11月イギリス・サウスシールズ生まれ。’79「エイリアン」が世界的ヒット、SFの‘82「ブレードランナー」で地位を確立。’91「テルマ&ルイーズ」でアカデミー監督賞にノミネートされた。‘01の「ハンニバル」も世界的ヒットになった。
 キャスト デンゼル・ワシントン1954年12月ニューヨーク州マウントバーノン生まれ。’87「遠い夜明け」でアカデミー助演男優賞ノミネート。’90「グローリー」でアカデミー助演男優賞受賞。‘01「トレーニング・デイ」でシドニー・ボワチエ以来黒人俳優二人目のアカデミー主演男優賞を受賞。
            
 ラッセル・クロウ1964年4月ニュージランド・ウェリントン生まれ。’00「グラディエーター」でアカデミー主演男優賞を受賞。‘01「ビューティフル・マインド」でも主演男優賞にノミネ-トされる。
            
 ジョシュ・ブローリン1968年2月カリフォルニア・ロサンゼルス生まれ。主な出演者として、それぞれの作品で存在感を示す。
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