
FBI捜査官ブース(デヴィッド・ボレアナズ)と法人類学者ボーンズことテンペランス・ブレナン(エミリー・デシャネル)が難事件を解決していく。もともとFBIは、二州以上にまたがる犯罪を扱うが、ドラマを観ているとそれが薄れ一般の警察の捜査のように映る。
ボーンズの骨からの事実に基づいて描かれる犯人像が的確に事件解決へと導く。専門用語が飛び交い頭の中でどの部位のことだろうと考えをめぐらしているうちに、次の専門用語の襲来になり無視することにした。
劇中ブースも一般人にも分かる言葉で言われると「そういえば分かる」とぶつぶつ言っているのも頷ける。
ドラマの成否は、やはり登場人物の造形にある。画家で骨の分析を元に3D画像に見事な腕を見せるアンジェラ(ミカエラ・コンリン)、天才と自他共に認め骨の解析ではボーンズも納得するほどのザック(エリック・ミレガン)、虫に関しては他を寄せ付けないジャック(T・J・サイン)。
個性的な面々がジェファソニアン研究所で日夜骨と格闘している。それらを骨格として事件や個人の背景が肉付けされ見応えのあるドラマとなっている。勿論、男女の情愛やセックスも何気なく語られている。
主人公のテンペラス・“ボーンズ”・ブレナンは、骨の分析が恋人のようで、結婚とか出産には興味がなさそうに見える。しかし、彼女も生身の人間、時にアバンチュールも楽しむ。事件が起きるとブースとともに車で現場に駆けつける。ボーンズがチャットで出会った投資銀行勤務の男とのデートに、ブースがいちゃもんをつけるのも、なにやら男女の綾を思わせる。
こういうテレビドラマを続けて観たいと思うのも、出演者に感情移入しているのかもしれない。DVDを入れて画面が現れると、ほっとするのもおかしな感情に思える。またこの人たちに会えたという。このシーズン1の終盤では、ボーンズの過去に起きた家庭の謎が浮かび上がってくる。




製作総指揮
ハート・ハンソン1957年7月カリフォルニア州バーリンガム生まれ。
キャスト
エミリー・デシャネル(テンペランス・“ボーンズ”・ブレナン)’09「私の中のあなた」に出演しているが、チョイ役。

デヴィッド・ボレアナズ(シーリー・ブース)1969年5月ニューヨーク州バッファロー生まれ。

ミカエラ・コンリン(アンジェラ・モンテネグロ)1978年6月ペンシルベニア州アレンタウン生まれ。

エリック・ミレガン(ザック・アディーン)1974年8月ニュージャージー州ハケットタウン生まれ。

T・J・サイン(ジャック・ホッジンズ)1975年3月マサチューセッツ州ボストン生まれ。

以上ハリウッド映画ではお目にかかれない連中だ。テレビ界と映画界はくっきりと境界が引かれている様に見える。テレビ界出身の大物のクリント・イーストウッドや今は亡きスティーブ・マックイーンに並ぶ俳優は見当たらない。