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スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスのプロデュースによる‘01「バンド・オブ・ブラザース」がヨーロッパ戦線だったが、今回太平洋戦線を描いた。ともに戦争がもたらす人間の心の変化を抉り出したかったと言う。それを三人の兵士を通じて描いてある。
日本の真珠湾攻撃は、アメリカ側から見て裏切りの最たるもので許しがたい行為と捉えた。宣戦布告文書を日本大使館の手違いで、攻撃後に届けたことがその原因のようだ。西部劇によくある背中を撃つという卑怯な行為というわけだ。
「ジャップを殺せ!」ドラマの中で何度兵士が叫んだことか。南太平洋の小さな島々から、沖縄まで米軍は巻き返しを図る。その間、日本軍の描き方がどうしてもぞんざいになる。日本軍は、まるで西部劇のインディアンのように無闇に突撃してくる。
日本軍はあんな戦術を用いたのだろうか? 玉砕という世界にも稀な集団自殺の強烈な印象が残っているのかもしれない。
この映画では日本軍の戦術なんてさして重要ではない。攻撃にさらされた兵士の心の動揺が必要だからだ。戦線を制圧した米軍兵士が、無抵抗の若い日本軍兵士を射的の的のように撃ち殺す場面などを織り交ぜながら心の傷を描いてある。そして戦争終結。兵士に笑顔はなかった。兵士は体も心も疲れきっていた。
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製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ、トム・ハンクス
監督は6人。
キャスト
ジェームズ・バッジデール1978年5月ニューヨーク市生まれ。
ジョン・セダ1970年10月ニューヨーク市生まれ。
ジョセフ・マッゼロ1983年9月ニューヨーク州ラインべック生まれ。