
作業員のミスでAWVR777通称トリプル7という38両編成で800メートルに及ぶ貨物列車が、ペンシルベニア州北部のフラー操車場から無人で走り出した。
困ったことにギアがフルパワーに入っていて、時速100キロを越すスピードで走り続ける。編成には、四つの貨車に溶融フェノールという接着剤の原料で毒性が強く非常に燃えやすい化学物質が積載してあった。
列車の行き先には、人口密集地スタントンの町がある。しかも、そこには大曲りというカーブがあって、カーブのそばには石油タンクがある。列車が100キロのスピードでカーブに入れば、火を見るより明らか。脱線転覆炎上、石油タンクの爆発。大惨事は必定という状況だった。
ペンシルベニア州南部のブルースター操車場からスタントンで貨車をつないで運行するフランク(デンゼル・ワシントン)とウィル(クリス・パイン)がいた。このまま進むとまさに正面衝突の危険をはらんでいた。さて、どうなるのか? サスペンスが全編を覆う。従って眠くならない映画だった。
それにしても、アメリカの機関車はでかい。日本の二倍はあるという人もいる。圧倒的迫力を感じる。劇場の大きなスクリーンで観る映画かもしれない。
この映画を観ていて思うのは、列車にしても車にしても、止めることが如何に大変で重要だと言うことがよくわかる。この間の中国の列車事故は、この原則をおろそかにしたとしか言いようがない。











監督
トニー・スコット1944年6月イギリス/イングランド、ストックトン生まれ。‘86トム・クルーズがスターになった「トップ・ガン」が大ヒット。’09「サブウェイ123激突」など。
キャスト
デンゼル・ワシントン1954年12月ニューヨーク州マウントバーノン生まれ。
クリス・パイン1980年8月ロスアンジェルス生まれ。テレビ界の出身。‘09「スター・トレック」
ロザリオ・ドーソン1979年5月ニューヨーク生まれ。