
カントリー・シンガーのお話だから、興味のある向きは少ないかもしれない。グラミー賞を何度もとったカントリー界のスーパー・スター、ケリー・カンター(グウィネス・パルトロー)は、シカゴでのコンサートでは、泥酔状態で舞台から転げ落ち流産してしまう。
その失意を施設で癒しながら再起を図っているが、夫でありマネージャーのジェームズ(ティム・マッグロウ)とは、冷ややかな関係だった。そんな状態は、施設の職員ボー(ギャレット・ヘドランド)と深い仲へと押しやった。
ボーも地元の酒場で歌うシンガー・ソング・ライターだった。同じ酒場で女性歌手として飛躍を目指すチャールズ・スタントン(レイトン・ミースター)を冷やかしながらも手を差し伸べることもある。うつ病を抱えたスーパー・スター・ケリーと次代のスター・ボー、歌唱ばかりでなく作詞にも才能の片鱗を見せるチャールズにジョージを交えた哀切な人間模様である。が、どういうわけかあまり印象に残らなかった。
考えてみると物語が単調だったせいだ。カーブも起伏もない一本の道を淡々と走っているという感じだった。実際の日常はこういうものだろうが、これは映画だから要所に強いエピソードが欲しかった。
私は、カントリー・ミュージックが好きだから,田舎の酒場や錆の浮いたピックアップ・トラックや誰も走っていない道路を見ると何故か嬉しくなる。あの纏わりつくような甘いカントリーの味わいは堪能した。
それにいつも思うのは、西部劇の代名詞のようなテンガロン・ハットが似合うのは、やっぱり白人のアメリカ人だなあ。ということを思い知らされる。この映画でも、ボーを演じたギャレット・ヘドランドにしても、ワイルド・カントリーの雰囲気が感じとれる。西部の男の喋り方とか、がっちりとした体つきとか、眼の色や形、物腰など他民族ではこの雰囲気が出せない。






ただ、日本では馴染みの少ない分野なので劇場未公開となっているのかもしれない。アメリカではヒットしているけど。それに、出演俳優はすべて自ら歌っているらしい。みんな歌がうまい。特にグウィネス・パルトローは、レコード会社と契約したと聞く。
最後のステージでケリーが歌う映画と同名の「Country Strong」をどうぞ
それに、ギャレット・ヘドランド、レイトン・ミースターの歌唱もどうぞ
I know you see me
Like some wide-eyed dreamer
That just rolled in off a dusty mid-west bus
Yeah, on the outside I look fragile
But on the inside I’m something you can’t crush
Cause I’m country strong
Hard to break
Like the ground I grew up on
You may fall me and I’ll fall
But I won’t stay down long
Cause I’m country strong
Cause I’m country strong
Hard to break
Like the ground I grew up on
You may fool me and I’ll fall
But I won’t stay down long
Cause I’m country strong
Yeah, I’m country strong
Yeah, I’m country strong
I’m country strong
I’m country strong
I’m country strong
I’m country strong
監督
シャナ・フェステ1976年8月ロサンジェルス生まれ。女性でプロデューサー、脚本家、監督の経歴。本作は、初監督作。

キャスト
グウィネス・パルトロー1972年9月ロサンジェルス生まれ。‘98「恋に落ちたシェイクスピア」でアカデミー賞主演女優賞受賞。
ティム・マッグロウ1967年5月ルイジアナ州生まれ。3回のグラミー賞受賞のカントリー・ミュージック界のスーパー・スター。
ギャレット・ヘドランド1984年9月ミネソタ州生まれ。
レイトン・ミースター1986年4月テキサス州フォートワース生まれ。