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読書「珈琲一杯の薬理学」岡希太郎

2011-10-15 20:51:41 | 読書

              
 朝、出勤前に飲むコーヒー。会社に着いて気になる女の子と気の利いた冗談を言いながら飲むコーヒー。ビジネスでお得意先と飲む味気ないコーヒー。もっと味気ないのは上司と飲むコーヒー。

 そして、一番美味しいのは週末に彼女を自宅に招いて、フランス料理もどきの手料理とワインでもてなし、デザートに飲む飛び切り心を込めたコーヒーだろう。コーヒーの後の展開に期待を込めて。

 楽しんだりお義理だったりのコーヒーが、肝臓がんや慢性肝炎、パーキンソン病に高血圧、さらには高脂血症や糖尿病など、生活習慣病やメタボリックシンドロームを予防する効用があるという。それを聞くと俄然コーヒーの香りが薬臭くなってくるが、そんなことは気にしなくていい。

 この本の記述の根拠は、国際医学誌に掲載された学術論文の疫学調査とまだ少ないが確かな実験証拠に基づいていると著者が序章で述べている。例えば肝臓がんについて、厚生労働省の研究班は1990年から約10年間にわたって、40歳から69歳の男女約9万人を追跡調査。この期間中に男性が250人、女性84人計334人が「肝細胞ガン」になったと診断された。

 これをコーヒーに関連してみると、コーヒーを毎日飲まない人の肝細胞ガン発症率を1・0とした場合。コーヒーを毎日1~2杯飲む人の発症率は0・52、毎日3~4杯飲む人は0・48と発症率は半減。毎日5杯以上飲む人は0・24と言う結果でほぼ4分の1になった。

 じゃあ、10杯飲めば発症率はゼロになるのかといえばそうはならないだろう。飲みすぎると今度は弊害も心配しなくてはならない。コーヒーが万能ではない。基本的には、食生活や運動が作用する部分も多いのだろう。私たちは永遠に生きることは出来ない。ほとんどの人は何らかの病気でこの世を去っていく。

 要するに健康な時間を出来るだけ長く保ちたい一心が健康志向を高め、中には詐欺商法まがいの商品に手を出して何の効果もないということにもなる。健康維持やダイエットは簡単ではない。毎日地道な努力しか方法はない。バランスのとれた食生活を腹八分目。それにウォーキングなどの運動を続けるしかない。さあ、今日も珈琲の香りの向こうに思いを馳せながら健康であることを祈りましょう。
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