喉から血が出るほど子供の名前を叫びながらたどる失望と再起の女の物語。警察の爆発物処理班の夫は、帰宅しても精神的重圧がのしかかり妻を優しく愛することが出来ない。妻(ミッシェル・ウィリアムズ)は当然欲求不満を抱え込んだ。
そんなある夜、夫は緊急呼び出しで爆弾処理に向かった。残された妻も、夫の仕事に不安を募らせ心の安らぎを求めて近くのバーに向かう。そこで話しかけられたのが新聞記者のジャスパー・ブラック(ユアン・マクレガー)だった。
夫と4歳の息子がサッカー試合の観戦に出かけた日、後に残った妻はジャスパーとセックスの最中、テレビはサッカー場で大規模な爆発が起きたと報じた。そして、それはテロによるものであることも分かり、この事件で夫と息子を亡くした。
自責の念と失った悲しさでジャスパーの気配りにも拒否反応を示す。ジャスパーといるとまざまざとあのときが思い出されるからだった。事件の真実を知りたいと誰もが思う。ジャスパーも調べ始めながら、何度も彼女の家の呼び鈴を鳴らし続けた。彼女は無反応だった。彼女は一時も息子のことを忘れられない。
犠牲になった人々の顔を描いた飛行船の形をした大きな風船を見ながら涙を流す。やがて彼女のお腹が膨らんできた。彼女は出産した。久しぶりの笑顔が浮かんだ。ジャスパーとの子供だった。女性の強さを思い知らされた気がする。
監督
シャロン・マグアイア1960年イギリス生まれ。
キャスト
ミッシェル・ウィリアムズ1980年9月モンタナ州生まれ。’05「ブローバック・マウンテン」では、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされている。’10「ブルーバレンタイン」’11「マリリン 7日間の恋」の2年連続でアカデミー主演女優賞にノミネートされる実力。
ユアン・マクレガー1971年3月イギリス、スコットランド生まれ。