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スペイン、サラマンカのマイヨール広場。世界150カ国の首脳が集まり、アシュトン・アメリカ大統領の提案する“対テロ戦略”に、西欧とアラブ諸国による歴史的合意の署名がなされようとしていた。
サラマンカ市長の演説が終わりアシュトン大統領が演壇で両手を上げて群集に挨拶を送った。その瞬間、銃弾が大統領の肉をえぐった。
この大統領狙撃事件をテレビ局チーフディレクター・レックス(シガニー・ウィーヴァー)の視点、シークレット・サービス・トーマス・バーンズ(デニス・クエイド)の視点、サラマンカ市警刑事エンリケの視点、旅行者ハワード・ルイス(フォレスト・ウィテカー)の視点、アシュトン大統領の視点、テロリストの視点の六つの視点で構成されている。
これを必ず重要な場面で終わり徐々に真相に迫るというクリフハンガー形式で描く。「元々、1910年代・20年代の連続活劇はほとんどが二巻ごとに、主人公が崖からぶら下がった絶体絶命のシーンで終わっていた。崖=クリフ、ぶら下がる=ハンガーより、これをクリフハンガーと呼んだ」とウィキペディアにある。
ドラマで大ヒットした「24 -TWENTY FOUR-」なども消息不明のまま終わるなど、次を観たくなる手法をとった。
この映画では、狙撃と爆発の23分前の午後12時までそれぞれの視点に戻る。効果的かといえば、巻き戻しのシーンがうるさく感じちょっと疑問に思う。オーソドックスな緊張感を高めていくほうが好きだ。それでもうまく纏めて最後に六つの視点に登場する人物が一点に集まる。娯楽作品としては成功しているのではないだろうか。
トーマスが犯人を追ってカーチェイスを繰り返すが、狭い道路であり得ない走行ではあるが目が話せないことは確かだ。
テロリストの一員のベロニカ(アイエレット・ゾラー)が、理知的で美人、印象に残った。女優としては成功しているとはいえないようだ。この程度の顔はいくらでもいるのだろう。
旅行者を演じたフォレスト・ウィテカーの最後のシーンは、見事だった。アナというあどけない少女を危機一髪で助けた後の自宅に電話するシーン。
アドレナリンが興奮状態をもたらし、息すら思い通りに出来ない状況。喘ぎ、目をうつろに見回し、言葉もたどたどしくやがて落ち着いていく様子がよかった。
それを観ながらオーディションのときこれをやったのかな。 と思うと気恥ずかしさを感じた。私にはとても出来ない。彼の専門職は、俳優だから当たり前か。
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監督
ピート・トラヴィス
キャスト
デニス・クエイド1954年4月テキサス州ヒューストン生まれ。
マシュー・フォックス1966年7月ペンシルベニア州生まれ。’12「終戦のエンペラー」で親日のフェラーズ准将。
フォレスト・ウィテカー1961年7月テキサス州ロングビュー生まれ。
アイエレット・ゾラー1969年6月イスラエル、テルアビブ生まれ。
シガニー・ウィーヴァー1949年10月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。
ウィリアム・ハート1950年3月ワシントンD.C生まれ。
エドゥアルド・ノリエガ1973年8月スペイン生まれ。