ケネディ暗殺のニュースは、1963年(昭和38年)11月23日(勤労感謝の日)午前8時ごろ衛星中継の映像で入ってきた。恐らく日本の全家庭がこのニュースに驚いたであろう。勿論、私もびっくり仰天した。
実はこの放送というのは、通信衛星を使った日米間初の宇宙実験放送だった。鮮明な映像とともにはっきりとした音声に感嘆したものだ。従来の海を渡るラジオ放送では、音声が大きくなったり小さくなったりのような波が打っていた。
私事では新婚旅行から帰宅直後のニュースで、鮮明という点ではいまだ色褪せていない。そして、映画の制作年2013年は、事件後50周年にあたる。一つの区切りとして作ったのだろう。
陰謀説も多い中、真犯人追求というものでなく事件発生後の4日間、人々の動きや思い、それに犯人とされるオズワルドの兄と母にも光をあてている。この母親は少し頭がおかしいが。
エイブラハム・サブルーダー(ポール・ジアマッティ)の8ミリカメラが捉えた暗殺の瞬間の映像が世に出回るまでとか。
担ぎ込まれたパークランド・メモリアル病院の医師の臨場感のある蘇生努力とか。
地元ダラス警察の監察医が殺人事件だから解剖が済むまで遺体の搬送はだめだというのにたいして、押し問答の末、大統領のシークレット・サービスが強引に運び出すという一齣とか。この辺は、司法機関の縄張り争いが鮮明。
FBIダラス支局長が、犯人のオズワルドと二週間前に接触していて拘束すら出来なかったことに激昂する場面とか。
オズワルドを移送のとき、警察の地下通路出口でナイト・クラブ経営者のジャック・ルビーに射殺されるという事件。
その後の兄ロバート・オズワルドが受ける冷たい視線。突然の出来事は、人々を混乱させ悲しませた。俳優の演技とはいいながら、リアルな映像は見ごたえがある。
ちなみに、暗殺されたアメリカの大統領は、この事件で四人目となる。第16代のエイブラハム・リンカーン1865年4月14日から第20代ジェームズ・ガーフィールド1881年7月2日、第25代ウィリアム・マッキンリー1901年9月6日だ。
劇場公開2014年6月
監督
ピーター・ランデズマン
キャスト
ジェームズ・バッジ・デール1978年5月ニューヨーク生まれ。
ザック・エフロン1987年10月カリフォルニア州生まれ。
コリン・ハンクス1977年11月カリフォルニア州サクラメント生まれ。トム・ハンクスの息子。
ポール・ジアマッティ1967年6月コネチカット州ニューヘイヴン生まれ。