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有名な俳優は出ていないが、風景とともにそこに住みたくなるという居心地の良さに浸れる。この映画の主人公ケイティ(ジュリアン・ハフ)も同じ気持ちなのか、レストランのウェイトレスの仕事を見つけて森の中のキャビンに住みつく。このケイティは、夫のシカゴ市警の刑事ケヴィン(デヴィッド・ライオンズ)に追われていて身を隠す必要があった。ケヴィンは、暴力亭主であまりの激しさに包丁で傷を負わせ隣家に逃げ込み、夜行バスでシカゴからここノースカロライナ州の港町サウスポート迄たどり着いた。
妻を癌で亡くし二人の子供と叔父とともに小さな雑貨店を営むアレックス(ジョシュ・デュアメル)との出会いが彼女の運命を決める。そしてもう一人近くに住む女性ジョー(コビー・スマルダーズ)とも友達になっていく。
執拗に妻を追うケヴィンは、妻を全国指名手配までする。これには署長も許されない行為として停職を命じる。怒りなのか嫉妬なのか狂ったケヴィンは、万難を排してサウスポートに姿を表す。結局、最後は拳銃の暴発でケヴィンは死亡、ハッピーエンドとなる。
その最後がすばらしい幕切れだった。というのも、アレックスが「To her」と書いた手紙をケイティに手渡す。その内容は、癌でなくなったアレックスの妻ジョーからの新しいアレックスの妻に送る感謝と励ましの言葉だった。
思いもよらない発想だった。いかにジョーが素敵な女性だったかと分かると同時にアレックスが選んだケイティもそれに倍する女性だった。ジョーへの思慕に重ねるには、ジョー以上の女性が必要だったからだ。
ケイティと友達になったジョーがまさにアレックスの妻だった。死人が現われてきたというおどろおどろしいものを感じるかもしれないが、そこは物語る上での真意の説明と受け止めたらいい。
それにしても、自分が死んだあとのために、こういう手紙を残せるというのは素晴らしいことに思える。夫あるいは妻を心から愛していないと出来ることではないだろう。そういう人が何人いるのだろう。
この映画に出ている俳優一人で観客を集める力は今はないが、女性はキレイだし男性も有名俳優と見劣りしない。ケイティ役のジュリアン・ハフは、いかにもヤンキー娘という感じだし、ジョー役のコビー・スマルダーズは、知的な雰囲気がよかった。
暴力刑事をやったデヴィッド・ライオンズも独特の風貌で興味をそそられた。美味しい料理とワインのあとで、上質のコーヒーの香りを楽しむような豊かな気分にさせてくれた。
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映画の雰囲気をどうぞ!
監督
ラッセ・ハルストレム1946年6月スウェーデン、ストックホルム生まれ。
キャスト
ジョシュ・デュアメル1972年11月ノースダコタ州生まれ。
ジュリアン・ハフ1988年7月ユタ州ソルトレイクシティ生まれ。
コビー・スマルダーズ1982年4月カナダ、ブリティッシュコロンビア生まれ。
デヴィッド・ライオンズ1976年4月オーストラリア、メルボルン生まれ。