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実在した罠猟師の復讐物語「レヴェナント:蘇りし者’15」劇場公開2016年4月

2016-09-01 16:41:48 | 映画

            
 ディカプリオがアカデミー賞初受賞なるかと話題をさらった映画で、期待通りレオナルド・ディカプリオは主演男優賞を受賞した。この映画を監督したアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督賞、撮影賞をエマニュエル・ルベッキが受賞した。

 アカデミー賞受賞作品ということもあって、TSUTAYAにはずらりと50枚程DVDを並べていた。ほとんどの人が絶賛といってもいい感想だ。私はそこまで手放しに褒められない。点数で表せば、70点かな。

 実在した罠猟師というのは、アメリカ開拓時代の1800年代罠猟師で毛皮商人のヒュー・グラスのこと。このヒュー・グラスの伝記は、アメリカ人には人気があるようで、グラスの冒険を書いた本は全米図書賞を受賞したとウィキペディアにある。

 興行成績にも影響して、製作費135百万ドル、興行収入404百万ドルという。そのヒュー・グラスを演じたのがレオナルド・ディカプリオ。

 悪役のジョン・フィッツジェラルドを演じたトム・ハーディともどもひげ面でどちらがどちらか分からない。役者としてはこんなひげ面は困るんだろうなあ。目と声とジェスチャーの演技だから。

 1823年アメリカ北西部、極寒の荒野でヒュー・グラスと息子のホーン(フォレスト・グッドラック)が狩猟して毛皮にするハンターチームのガイドをしていた。インディアンのアリカラ族に襲われ命からがらチームの隊長以下数人が船で川を下る。船は発見されやすいと途中から陸路に変更。

 早朝、グラスが見回り中巨大なハイイログマに襲われ瀕死の重傷を負う。隊長のアンドリュー・ヘンリー(ドーナル・グリーソン)は320キロ先の砦フォート・カイオワまでは持たないと判断。ジョン・フィッツジェラルドと若手のジム・ブリッジャー(ウィル・ポールター)それにグラスの息子ホークを残し「丁重に埋葬せよ」と言って先を急いだ。

 ところがジョンはグラスを殺そうとする。息子のホークに見つかったが逆にホークを殺す。動けない体のグラスは一部始終を見る。さらに穴を掘ったジョンは、グラスを投げ入れおざなりに土をかけてジムを騙してグラスを放置する。

 ここからがグラスの決死のサバイバルが開始され、聖書がいう受けた害に対して、同等の仕打ちをもって報いること「目には目を、歯には歯を」が実践される。

 史実はフォート・カイオワまでの320キロを這ってたどり着いたとあるが、映画的な表現は、画面が変わるごとにグラスの体調が改善されていく。

 這っていたのが枝の杖に変わり川の魚を手づかみするときは両足しで立っていた。演じた俳優は大変だったらしい。生の肉を血みどろになって食べ、生の魚を頭からかじり取る。火を熾すのも大変。枯れ草に火打石で着火させる。

 インディアンから逃れるために厳寒の川を下る。ディカプリオが流されているように見えるから、ご苦労様としか言いようがない。

 アウトドア派には興味のある場面もある。一人のインディアンに助けられそのインディアンが木の枝を切って即席のシェルターを作った。あれを見ていてアウトドアに持っていくものに、鋭利な斧があったほうがいいなあと思ったものだ。

 砦に着いたグラスが裸になって傷の手当を受けるが、あまり痩せていないのが気になった。2013年の「ダラス・バイヤーズ・クラブ」でアカデミー主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒーは、エイズ患者になりきるために体重を落として痩せ細った体にした。

 ディカプリオもそれくらいの覚悟でのぞんで欲しかった気がする。食料もろくにない環境を生きながらえた証左は痩せることしかない。そんな細かいことを気にしなければ、頭を矢が貫く、ハイイログマとの死闘のド迫力、激流に流され、静謐な厳寒の映像美とあわせて究極のサバイバル映画として堪能できる。
  
         
      

      

      

  

監督
アレハンドロ・G・イニャリトゥ1963年8月メキシコ、メキシコシティ生まれ。

キャスト
レオナルド・ディカプリオ1974年11月カリファルニア州ハリウッド生まれ。
トム・ハーディ1977年9月イギリス、ロンドン生まれ。
ドーナル・グリーソン1983年5月アイルランド、ダブリン生まれ。
ウィル・ポールター1993年1月イギリス、イングランド生まれ。
フォレスト・グッドラック1998年8月ニューメキシコ州アルバカーキー生まれ。


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