演出家のスティーヴン・ダルドリーの映画初監督作品。舞台ではローレンス・オリヴィエ賞とトニー賞を2度受賞している。
サッチャー首相の時代、1984年、イングランド北部ダーラムの炭鉱の町が舞台。父と兄が炭鉱夫という家庭で母はとっくに亡くなり、やや痴呆が入るおばあちゃんと同居する11歳のビリー(ジェイミー・ベル)の物語。
強制的にボクシングをやらされているとき、体育館の片隅で行われているバレエのレッスンを見て興味を抱く。もともと兄が持っているロックンロールのレコードを聴きながら体を動かすのが好きだった。
バレエのコーチ、ウィルソン先生(ジュリー・ウォルターズ)が参加を許してくれた。こういう炭鉱町の男たちは、日本の昔のように「男らしく」が譲れない一線のように思っている。男はボクシングとか、サッカーとか、ラグビーをするものと決め付けている。踊るバレエ? けしからん! 父も兄も同様の反応。
そういう偏見の中を持ち前の強気でウィルソン先生の勧めるロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けるところまでになる。一人の少年の成長物語で楽しいダンス・シーンもあってほのぼのとした余韻に浸れる。
ラストは、トップダンサーになった25歳のビリーの公演を観る父親の涙に濡れた顔が印象に残る。このラストで踊るトップダンサーのビリーを、英国を代表するトップ・ダンサーの一人、アダム・クーパーが演じているのも話題となったらしい。
なお、本作は、アカデミー賞助演女優賞(ジュリー・ウォルターズ)、監督賞、脚本賞がノミネートされた。
監督
スティーヴン・ダルドリー1961年5月イギリス、イングランド生まれ。本作を含めて2002年の「めぐりあう時間たち」、2008年「愛を読むひと」がアカデミー監督賞にノミネートされている。
キャスト
ジェイミー・ベル1986年3月イギリス、イングランド、ビリングハム生まれ。
ジュリー・ウォルターズ1950年2月イギリス、バーミンガム生まれ。
アダム・クーパー1971年7月ロンドン生まれ。89年から97年ロイヤル・バレエ団に在籍。
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