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「殺意の誓約」娘を愛するあまり殺人まで犯したが……アイスランド2016年制作 

2018-02-11 15:53:15 | 映画

          
 アイスランド映画を観るのは初めてだ。北欧のテレビドラマや映画を観て寒々として曇っていたりするから、この映画の一面雪の画像にも「やっぱり寒そう」というだけだった。北極圏に近いから文字通り凍える国なんだろう。しかし、2月の最低気温がマイナス3度というからそれほど寒くない。北海道あたりと思えばいいかも。

 北海道と四国を合わせた程度の広さで軍隊を持たない希少な国家であり捕鯨賛成国でもある。そしてオーロラ観光の適地。その冷えびえとした風景の中に親子の情がホット。

 優秀な外科医フィンヌル(バルタザール・コルマウクル)にとって娘アンナ(ヘラ・ヒルマー)が悩みの種。悩みの種ぐらいならまだしも彼氏と言うのがオットー( ギスリ・オルン・ガルザルソン)という男でしかも麻薬の売人。警察に密告したせいで家族の安全を脅かす脅迫を受け殺人を決意する。殺し方は医者らしく薬物によるものだった。

 鎮静薬のミタゾラムとジアゼパムを混ぜて点滴の袋に入れると「意識は徐々に失われる。数日後には血行不良で神経機能が低下痛みは消える。やがて床ずれがやってくる。体の重みが皮膚を裂けるまで切迫するようになり痛みが戻ってくる。耐え難い痛みだ。俺は痛みのあまりモルヒネを懇願する患者を見てきた。抗生剤は効かず傷口が感染し、お前は生きたまま腐り始める。やがて皮膚が腐っていく臭いとともにハエやウジ虫が皮膚を食い破って侵入してくるだろう」

 日常的に使われているこの薬が、混ぜればこんな状態になるのだろうか。フィンヌルの脅し文句なのだろう。それに恐怖を抱いたオットーの狼狽と逃れる術を探すのが緊迫。

 犯罪と言うのは小さなほころびが真実を明かす。アンナを取り戻そうとしたが、真実を見抜かれ娘は去っていく。皮肉な運命の悪戯。ワールド・エクストリーム・シネマ2017で上映
  
監督
バルタザール・コルマウクル1966年2月アイスランド生まれ。アクションやミステリーでハリウッドでも手掛ける。2013年「2ガンズ」、2015年「エバレスト3D」など。脚本も担当。

キャスト
バルタザール・コルマウクル 
ヘラ・ヒルマー1988年12月アイスランド生まれ。
ギスリ・オルン・ガルザルソン1973年12月アイスランド生まれ。