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近未来、セレブの病気の血を売買する「アンチヴァイラルANTIVIRAL ’12」劇場公開2013年5月

2015-09-14 17:12:45 | 映画

            
 セレブに対する視線は熱いものがある。特定の女優に対して、彼女が身につけているもの、例えば下着、つまりパンティなどに異常に関心を寄せるとか。高じて尿とか糞便にもということに。映画で尿とか糞便を扱うことは自殺行為に他ならない。従って、体内にある血に代替を求めたと言えるかもしれない。

 セレブと何かを共有したいという願望に応えるためにクリニックは誕生した。「ルーカス・クリニック、真の美を求めるあなたに」というキャッチフレーズは多くのセレブ・ファンを集めることに成功した。

 このクリニックに注射専門技師のシド・マーチ(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)がいる。今売り出しているセレブのハンナ・ガイスト(サラ・ガドン)が病気になった。商品持ち出し厳禁のこのクリニックは、退社時厳格な身体検査がある。ところが彼は、ハンナの血を自身の体内に取り込んで持ち出す。自室のクローゼットの奥にある装置からその血を取り出して闇市場に流していた。

 その末路は? 陰謀に巻き込まれたというが、実はよく分からない。ラスト・シーンは、ハンナ・ガイストの血で死ぬほどの打撃を受け、それを克服した大げさな装置の取っ手が人間の肉と皮膚で出来ているような代物だった。
 そこにメスを入れるとどす黒い血が流れ出てくる。しかも、アップの映像は女性の性器を連想させるものだった。その部分に唇を寄せて流れ出る血を舌で舐めとるシド・マーチ。その装置の中にはハンナ・ガイストの屍が横たわっていた。そして終わる。シド・マーチは永遠にハンナ・ガイストから逃れられないのだろうか。ふうー、疲れた。この映画はかなり疲れる。

 映像は、白と黒を基調に唇と血の赤が際立っていた。私はこの映画で主役を演じたケイレブ・ランドリー・ジョーンズに注目している。「ゴッドタウン」で危ない青年を演じて、すぐに殺される役だったが私には強烈な印象を残した。

 この作品は2012年の制作で、この年ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは3本の映画に出演している。「ビザンチュウム」と「ハード・ラッシュ」だが脇役だった。

 主役を張っているのはこの作品。私としては、彼が30代の中ごろにはアカデミー賞に手が届いているかもしれないと思っている。

 なおこの作品の監督は、ブランドン・クローネンバーグで、デヴィッド・クローネンバーグの息子。デイヴィッド・クローネンバーグというと古くは’86年の「ザ・フライ」が大ヒットした。近くは「コズモポリス」というこれも分かりにくく眠くなる映画だった。わたくし的には、観ていて少し眠くなるところが親子の共通点。
         
         
         
         

監督
ブランドン・クローネンバーグカナダ生まれ。

キャスト
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ1989年12月テキサス州生まれ。
サラ・ガドン1987年4月カナダ、トロント生まれ。

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