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お気に入りの表現(7)ジェイムズ・クラムリー「友よ、戦いの果てに」早川書房から

2005-03-11 13:50:25 | お気に入りの表現
いままでに読んだ本やいま読みかけの本から、お気に入りの表現を拾い出そうと思っています。

 私立探偵C.W.シュグルーがベトナム戦争の戦友とともに暴力に立ち向かう。ストーリーは特筆するものでもない。数多くのミステリーを読んできて、アメリカ人作家の好きな季節が秋と言う人が多い印象を受ける。この人も例外でなく

 “若い男たちは、春が万物再生の季節だと思うようだが、胃袋にビールを溜め込み、尻が痛くなるような長旅に出る私の歳(中年)の男には、春はやがてしおれてゆく束の間の緑しか約束してくれない。花の咲き乱れる熱っぽい期待の季節はいつまでも続きはしないのだ。よく澄んだ暑い陽射しの秋、松の木の色合いに秘められた、到来する冬の気配…これだけは決して裏切られることのない約束である。冬が運んでくるものが、痛む骨や飢えたエルクや凍える子供たちであっても、とにかくいまはこの澄んだ青空がある。西モンタナの最良の季節だ”

 と言う。しかし、私は躍動感あふれる春が好きだ。

お気に入りの表現(6)レジナルド・ヒル「誰の罪でもなく」ハヤカワミステリから

2005-03-10 14:06:20 | お気に入りの表現
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 ユーモアで1頁ごとにニヤリとした。黒人探偵シックス・スミスは歌がうまい。しかし、伯母から教育ママのようにいつも注意を受ける。

 “人生は与えられたものの中で幸せに生き、穏やかな喜びを味わうためにあるのだ”

 シックス・スミスは、心底そう思っているのだろうか。私はこの言葉が好きで、高望みや妬みを持たないように努力しているが、人間幾つになっても邪念から逃れられないものだとつくづく思う。

お気に入りの表現(5)マイケル・エバハート「法に背いて」講談社文庫から

2005-03-09 13:42:34 | お気に入りの表現
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ハワイが舞台のリーガル・サスペンス。ハワイの雨について著者は言う。

 “雨はハワイの最上の風物だというのに、ホノルルでは誰でもが濡れまいと走り回っている。この暖かく、さわやかな雨が降るからこそ、ハワイの生命のすばらしさが再確認できるのだ。近頃ではホノルルは、アメリカの大都会のせかせかした流儀にすっかり染まってしまっている。そのためオアフ島の人々は「骨休め」をするため、マウイ島をはじめとするハワイのほかの島へとわざわざ飛行機でやってきては、この温かな雨が五官にしみわたることを再認識するのだ”

 家族でハワイ旅行をしたとき、雨は夜降って朝には上がるというパターンが多かったように思う。この本では、観光情報もあって今度行ったときに確かめたいと思っている。
 ①ギャベル(バー) ホテルストリートに面し、ホテル・プレイスディルの近く。書記官、警官などで満員になる。
 ②ニックスフィッシュ・マーケット シーフード・レストランの老舗。
 ③ハワイ料理(冠婚葬祭にも出るようだ)
  ◆ポイ(タロイモ料理)
  ◆カルーア・ピッグ
  ◆ロミロ・サーモン(鮭を小さくちぎって刻んだ玉ねぎと岩塩を混ぜ込んだ料理)
 ④カイマナ・ビーチ・ホテル(ワイキキ・ビーチの先?ダイアモンドヘッド・ビーチの先かも日本人が少なく美女が多いとのこと)

お気に入りの表現(4)ローレンス・サンダーズ「青い蝶の刺青」から

2005-03-08 13:16:07 | お気に入りの表現
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 ローレンス・サンダーズ「青い蝶の刺青」早川書房

 父の経営する法律事務所の秘密調査員として働く息子のアーチボルト・マクナリー。大変なグルメ派で、カクテルをいろいろ試して楽しみ料理にもうるさい男である。アメリカ人だからどうしてもシーザー・サラダが出てくる。サラダにかけるドレッシングのレシピを、この本の解説を書いている作曲家、音楽評論家の吉村浩二さんの奥さんのレシピが紹介されていた。

 “ボールに卵の黄身、アンチョビのみじん切り、おろしにんにく、ウスターソース、レモン・ジュース、塩、コショー、パルメザン・チーズを入れてミックス、そこにオリーブ・オイルを入れて混ぜる。次に、レタスとクルトンにそのドレッシングを合えて、仕上げにもう一度パルメザン・チーズをかけて出来上がり”分量が書いていないが、そこは自分の好みで適当に作る楽しみが残っている。シーザーサラダのドレッシングはいろんな作り方があるようで、このレシピはシンプルで簡単なので試してみた。家族には好評であった。


お気に入りの表現(3)リチャード・ローゼン「ストライク・スリーで殺される」から

2005-03-07 13:18:10 | お気に入りの表現
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リチャード・ローゼン「ストライク・スリーで殺される」
 今年も大リーグ開幕を心待ちにしている。日本人選手の新しい顔ぶれも加わり、どういうプレイを見せてくれるか大いに楽しみだ。大リーグは非常に厳しい。野茂投手のいま置かれている状況がハッキリと示している。大リーグには、メジャーリーガーの下にマイナーリーガーがひしめいている。そこでメジャーリーガーとマイナーリーガーの違いはなにか。ここに一つの解答がある。

“マイナーリーグならピッチャーが一球、二球あるいは三球ぐらい失投しても怪我せずにすむかもしれない。しかし、メジャーにいるのは、ピッチャーに失投のつけを払わせることを知っているからこそメジャーに昇格できた選手ばかりだ”

きのうは啓蟄 虫たちに少しの敬意を…!

2005-03-06 13:28:36 | 雑記
 けいちつ 啓蟄は、冬ごもりしていた虫たちが、地上に出て活動を始める頃という意味。実際は虫が活動を始めるのは、もう少し先、柳の若芽が芽吹きふきのとうの花が咲く頃になる。

 ところで、この地球上に虫がいなくなったら…と考えたことがあるだろうか。その影響は計り知れないもので、人類の生存に深くかかわっている。

 ジェフリー・ディーヴァー「エンプティ・チェア」から引用しよう
“地球上の人間がみんないなくなったとしても、地球は何事もなかったみたいに回り続ける。でもね、もし昆虫が一匹もいなくなったら、一世代とかのうちに植物が枯れて、次に動物が死んで地球は巨大な岩の塊に逆戻りする”裏返して考えれば、人間がいなくなって困る生物は存在しないということになる。

 それからは虫に畏敬の念を抱くとともに、ウォーキングの道すがら、足元の小さな昆虫に出会うと、彼らもこの大地に果たしている役割があり、それを実行しているのを見ると、神の存在を否定できないという気分になる。彼らが道を横切るとき、私の足はいったん宙に浮き、足を下ろす場所を注意深く確かめるようになった。

お気に入りの表現(2)ダン・オブライエン「黄金の眠る場所」から

2005-03-05 13:26:20 | お気に入りの表現
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 ダン・オブライエン「黄金の眠る場所」心を落ち着かせ、幸せな気分にさせる文章で、人と自然の共存の描写は飽くことを知らない。

 “いずれの方角からやってこようと、心の準備をする間もなく、土地の様子は変わる。東へ旅しているものは、ロッキー山脈の数千フィートの高さからはじめて大草原を目にする。岩だらけの山道を迂回してくると、いきなり松の木も、岩も、急流も姿を消してしまうのだ。眼下には、まだ五十マイル先のことだが、これ以上考えられないほど平坦で、穏やかで、樹木のない土地が広がっている。
 西に旅していれば、インディアナ、イリノイ、アイオワの肥沃な黒土になれて、ミズリー川へ着くころは、手入れの行き届いた小さな森に囲まれ、きれいなペンキの塗られた富裕な農場の建物にでもお目にかかれるだろうという気になるが、その期待はことごとく裏切られる。いきなり、秩序が失われ、繁栄は雲散霧消するのだ。そしてどこからでも目につくはずなのに、こっちを眺めている者が一人もいないと感じるとき、北アメリカの大草原に来ているのである”

お気に入りの表現(1)テリー・ピンデル「アメリカ鉄道3万マイル」から

2005-03-04 10:32:33 | お気に入りの表現
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テリー・ピンデル「アメリカ鉄道3万マイル」

 アメリカ人も飛行機嫌い、ハイウエイ嫌いがいて、列車の旅を楽しむ人達がいる。著者もその一人。

  “タイヤがパンクして、スペアタイヤらしきものといえば、ドーナッツ一個しかない”

 スペアタイヤがないことをこのユーモアで表現する。この本は楽しく読んだが、中でも行ってみたいと思ったのはモンタナ州エセックスという人口30人ほどの村で、アムトラックの線路沿いにある、Izaak Walton Innというホテルだ。付近はグレーシャー国立公園が広がり、昔ながらの素朴な雰囲気が人々の人気を得ているようだ。
 写真は、Izaak Walton Inn

自主性を損ねる「民主党の法案再提出」

2005-03-03 11:29:09 | 社会
 新聞紙面から。民主党は幼児にヘルメット着用を義務づける法案を再提出とある。これは、幼児が同乗できる補助椅子をつけた自転車が転倒し、怪我をするのを防ぐため、6歳未満の同乗幼児にヘルメットの着用を義務づける法案を今国会に再び提出することを決めたという。確かに転倒時にヘルメットをかぶっていれば大事に至らないことはだれでも分かる。が、それは法律で決めるべき問題ではない。親の判断の問題だ。自主性を損ねる最たるものだ。ヘルメットを着けていないからといって誰にも迷惑や危害が及ぶことはない。これは何か裏があるように思えてならない。つまり業界を後押しすることに他ならない。

 よく似たものに、高齢者講習制度がある。法制化しなくてもいいのにそうしたという点で似ていると思う。この講習を受けないと免許証の更新が出来ない。これは免許センターや警察では受けられず、自動車教習所で受けることになっている。この講習は平成10年の改正道交法によって、70歳以上に義務づけられている。講習手数料は、6,150円である。この根拠として、運転中の死亡事故が70歳以上に飛躍的に増加したという背景があるらしい。確かに、茨城県警のホームページ(たまたま検索すると最初に出てきた)によると、高齢者死亡事故37.9%のうち約60%が電柱等への衝突や道路の外へ転落する単独事故が占めている。また、原因ではハンドル操作の誤りが30%と最も多いという。私に言わせれば、これらの事故は経験不足によるもと思われる。

 そして統計には、免許証取得年別とでもいうか、運転経験年数の視点が欠けているように思われる。運転技術には個人差があって、あれやこれやをひとまとめにして制度化するのは理解できない。警察官の天下り先の自動車教習所への配慮が見え見えだ。もっと、きめ細かい視点と配慮が必要だろう。

 これを機に免許証について考えてみると、なぜ期間が短いのだろうか。わが国は長くて5年、イギリス10年ドイツやフランスなどは無制限だ。期限を長くしたところで、何の問題もないはずだ。運転者は更新手数料を節約できる。こういうところにメスを入れて、道交法を改正してもらいたい。如何だろうか?

クリント・イーストウッドが、またもや作品賞と監督賞を受賞!

2005-03-01 12:47:53 | 映画
 第77回アカデミー賞は、「ミリオンダラー・ベイビー」が、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を獲得した。作品賞、監督賞は、1992年の「許されざる者」以来、イーストウッド二度目の受賞となる。昨年も「ミスティック・リバー」でノミネートされていた。いま旬を迎えているようだ。

 賞とは関係ないが、1999年の「トゥルー・クライム」でエンド・クレジットに流れるジャズは、スローテンポで恋人と踊るにはぴったりの曲だ。「Why should I care」という曲で、カナダ出身のダイアナ・クラールが歌っている。この曲をイーストウッドが共同で作曲したと聞いたことがある。「ミリオンダラー・ベイビー」の音楽も担当しているので出来栄えが楽しみだ。

 それにしても、クリント・イーストウッドは俳優としてはアカデミー賞には縁が無い。主演女優賞のヒラリー・スワンクは二度目の受賞。彼女の映画は見たことがないので、この映画をぜひ見たい。DVDが出てからだけど。助演男優賞のモーガン・フリーマンは初受賞である