㈱新書館 刊 1980年11月5日初版
ムック版のペーパームーンシリーズは、1976年から78年にかけて10号だけ出された 「ペーパームーン」 (一応文芸誌なのかな) より、より少女まんが好きに寄り添った内容となっていて純粋なマンガやイラストの類が多かった気がする。毎回特集が変わったが、どれも夢見る少女のファンタジー心を刺激する内容で、1983年頃まで出されていたのかな ?
私は1冊しか持っていないが、今回 ちゃととさん に3冊まとめてお借りすることが出来ました。
ちゃととさんにお借りした3冊 ↓
最初の写真、この号の特集は 「千一夜」。表紙は萩尾 望都氏で、表紙に並んでいるマンガ家さんたちの名前を見ているだけで今30歳代後半から40歳代のマンガ好きさんたちはクラクラするかも。
巻頭のカラーページに木原 敏江氏4P、山岸 凉子氏カラー2Pと文章1P、竹宮 惠子氏の1977年度に 「千夜一夜物語」 という紙芝居として発表された作品9P、あとエドモンド・デュラックの絵によるアラビアンナイト。 (裏表紙にも掲載)
「デュラックのアラビアンナイトを巡って」 という荒俣 宏氏 の解説もある。デュラックという挿絵画家がヨーロッパで 「千夜一夜」 を発表し、好評を博してからこのお話が一般的になったらしい。
私にとって嬉しかったのは、佐藤 史生氏の 「美女と野獣」 が新解釈で載っていたこと。1枚1枚がイラスト集のように美しい絵 (赤黒2色刷り) の8P、初めて読めて感激です。
後マンガは まつざきあけみ氏 のちょっぴりBL風味の 「寒桜」 という8P、伊東 愛子氏 の 「無言の森」 という、父と口のきけない娘の残酷な物語、木村 みのり氏 の 「夜のバス」 という短いものなど。
その他 山田 ミネコ氏 のイラストと詩のページ、青池 保子氏 の 「エロイカより愛をこめて」 の見開きカラーイラスト及びインタビュー、岸 裕子氏 の 「玉三郎恋の狂騒曲シリーズ」 に関するインタビューも興味深かったし、女性漫画家さんの記事満載で読みごたえたっぷりです。
佐藤 史生氏のインタビューがある 聞き手 伊東 杏里氏。「FSには精神を翔ばせる遊び心があるのです。」 ですって !
このシリーズ本の恒例のアンケート特集では、女性マンガ家さんたちが思い思いに答えているが、入院中の 花郁 悠紀子氏 が
●漫画家以外にあなたにもう一つの人生があるとしたら ?
という質問に、
「なんにもなりたくないけど、もしなるとすれば、4人の子供のお母さん。」
と答えているのに胸が詰まった。この年、1980年の12月12日に胃がんのため亡くなられている。9月か10月のお答えだろうか。まだ26歳、漫画家としてのすばらしい未来も、女性としての幸せもあったはずなのに・・・。
巻末の方の当時 (もう28年も前なのねぇ) の情報もその頃の雰囲気が漂っていて懐かしかった~。封切りされた映画とか詩集の広告とか、舞台のお知らせとか、ペーパームーンバックナンバーの写真とか。COMもそうだけど、雑誌はそのときの世の中の空気が読めて面白いものなのです。今あなたの手元にあるその雑誌も30年たったらお宝になるかもね。
ムック版のペーパームーンシリーズは、1976年から78年にかけて10号だけ出された 「ペーパームーン」 (一応文芸誌なのかな) より、より少女まんが好きに寄り添った内容となっていて純粋なマンガやイラストの類が多かった気がする。毎回特集が変わったが、どれも夢見る少女のファンタジー心を刺激する内容で、1983年頃まで出されていたのかな ?
私は1冊しか持っていないが、今回 ちゃととさん に3冊まとめてお借りすることが出来ました。
ちゃととさんにお借りした3冊 ↓
最初の写真、この号の特集は 「千一夜」。表紙は萩尾 望都氏で、表紙に並んでいるマンガ家さんたちの名前を見ているだけで今30歳代後半から40歳代のマンガ好きさんたちはクラクラするかも。
巻頭のカラーページに木原 敏江氏4P、山岸 凉子氏カラー2Pと文章1P、竹宮 惠子氏の1977年度に 「千夜一夜物語」 という紙芝居として発表された作品9P、あとエドモンド・デュラックの絵によるアラビアンナイト。 (裏表紙にも掲載)
「デュラックのアラビアンナイトを巡って」 という荒俣 宏氏 の解説もある。デュラックという挿絵画家がヨーロッパで 「千夜一夜」 を発表し、好評を博してからこのお話が一般的になったらしい。
私にとって嬉しかったのは、佐藤 史生氏の 「美女と野獣」 が新解釈で載っていたこと。1枚1枚がイラスト集のように美しい絵 (赤黒2色刷り) の8P、初めて読めて感激です。
後マンガは まつざきあけみ氏 のちょっぴりBL風味の 「寒桜」 という8P、伊東 愛子氏 の 「無言の森」 という、父と口のきけない娘の残酷な物語、木村 みのり氏 の 「夜のバス」 という短いものなど。
その他 山田 ミネコ氏 のイラストと詩のページ、青池 保子氏 の 「エロイカより愛をこめて」 の見開きカラーイラスト及びインタビュー、岸 裕子氏 の 「玉三郎恋の狂騒曲シリーズ」 に関するインタビューも興味深かったし、女性漫画家さんの記事満載で読みごたえたっぷりです。
佐藤 史生氏のインタビューがある 聞き手 伊東 杏里氏。「FSには精神を翔ばせる遊び心があるのです。」 ですって !
このシリーズ本の恒例のアンケート特集では、女性マンガ家さんたちが思い思いに答えているが、入院中の 花郁 悠紀子氏 が
●漫画家以外にあなたにもう一つの人生があるとしたら ?
という質問に、
「なんにもなりたくないけど、もしなるとすれば、4人の子供のお母さん。」
と答えているのに胸が詰まった。この年、1980年の12月12日に胃がんのため亡くなられている。9月か10月のお答えだろうか。まだ26歳、漫画家としてのすばらしい未来も、女性としての幸せもあったはずなのに・・・。
巻末の方の当時 (もう28年も前なのねぇ) の情報もその頃の雰囲気が漂っていて懐かしかった~。封切りされた映画とか詩集の広告とか、舞台のお知らせとか、ペーパームーンバックナンバーの写真とか。COMもそうだけど、雑誌はそのときの世の中の空気が読めて面白いものなのです。今あなたの手元にあるその雑誌も30年たったらお宝になるかもね。