修学院離宮のテーマから離れ、御所透かしなど技術承継に重きを置いていたセミナーは3回連続(各2千円)の最終
修学院離宮がテーマだったはずだが、御所・離宮の庭園管理にテーマが変化、参加者も庭園管理の実務者・関係者が多いようだ
川瀬昇作さんの実演を交え、庭園管理の実務と問題点が分かり面白い、結構な知見があった、なお下記内容は川瀬昇作さんと藤津紫さんのご指導を受けており、お二方に感謝致します
1.御所透かし
・整姿が御所のやり方(自然美に近い形)、対して一般は整枝剪定(枝を切る)
・御所の建礼門左右の違いは左が自然樹形のまま、右は何かの理由で頭(芯となる枝)を取ったこと、そして右は値打ちのある木である可能性はありますが、どちらも御所透かし( https://sankan.kunaicho.go.jp/multilingual/kyoto/place09.html )
・御所透かしはお馬車道の赤松の手入れから(明治)赤松は年2回手入れ
・黒松は毎年芽がでるが4年目で落ちるため4年毎に手入れ
・秋は新芽が伸びないため手入れに良い時期
・木によって手入れは違う、修学院中離宮の赤松の大木は野木に近い手入れ
・枝を折るのは上と下に2つの刃がついた長柄鎌( https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/common/001552370.pdf )により下から傷をつけ、上から折るという手法
・現在は安全対策のためクレーン利用となり外側からの手入れになり折取るのが難しくなっている(前は幹からの作業)
2.剪定の考え方
①平面は扇型にする
・下に向かう枝の形とする(葉の裏を見せない)
・芽摘みは前に出る葉のエネルギーを止め、根本の葉の活力を守る、若い上に伸びる枝も切る
・飛び出る葉も切る
・枝と枝の間を密にしない、奥にも光が届くようにする
②立面は頂部を疎にし、底部を密にする
③実をつけすぎない、木の体力を消耗する
3. 根締類の割り物
①満天星、サツキ、アセビ、など
②中に割を入れ、間を空けるふところを作り内部の風通しや日当たりを改善する
③上向きの葉・枝を取る
4.桂と修学院離宮
33年室戸台風による倒木と黒松・赤松の松くい虫での枯死により植生が変わった
①桂離宮
・シイを植え大木にした(野木で三角の樹形)、松琴亭の裏など
②修学院離宮
・山にモミノキを植えたが、育ちすぎ間引きした
・昔は、ミツバツツジは柴として利用され、再生と収穫を繰り返した里山の風景があった
③松
・良いのは桂離宮の衝立の住吉の松と修学院離宮万松塢の千貫の松、訪問者の目に触れることの多い主要木なので葉むしりも行い、手間をかけて維持管理している。(94年に枯死)
⑤樹形
・ヒサカキ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B5%E3%82%AB%E3%82%AD )サカキ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AB%E3%82%AD )は三角の樹形
・桂の御殿の前にあるモミノキは枝が下に向かい、葉の裏をみせていない
⑥参考:私見だが
桂離宮は閉じられた世界
・灯籠がある夜の月や灯を楽しむ
・飛び石が足の裏から語り掛ける
・船も活用
・生活できる建築
修学院離宮は外を見る
・昼間の遠景、日帰り
・窮邃亭は御所を眺める視点
・隣雲亭は夏至の夕陽(西方浄土)を眺める視点
・手前の借景が浴龍池
(参考意見)
・寿月観など月を意識した建物
よく歩いた、テニスとあわせ、洛中からの自転車もあり12,800歩、1940kcal