景観の効用について引き続き考えている。まず、そこに住むコミュニティから考えよう。景観の統一は制限と追加投資がともなう。つまりは費用が発生する。これに対してリターンは将来的な景観が優れていくという価値の予測である。となると(景観破壊が大きな損失となる懸念がない限り)これはリスクの多い投資と同じような位置付けにある。進めるには、やらねば損失があるということか、やれば見返り(リターン)があるというのとであろう。これは説明する実態や数値化が行いにくい。好きか嫌いか、街にどれくらい住むか、街の単位はどれほどか、何のためにと色々考えられる。
ただ、言えることは殆どの街で「景観を守っていく・作っていく」という取組みの少ない中、前向きな行動ではあろう。費用と将来的リターンのトレード・オフについて今住んでいる街の好きなところの効用(例えば落ち着いて歩ける街並み)と自分が好きだと思えれば賛同があろう。
これとは別に最初から街づくりのあった田園調布や麓六荘、建築協定のある街並み(桂坂など)は、それを好む方が作った景観ともいえる。