都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

学芸セミナー京都『桂離宮 美に隠された造園技術』に参加:造園の観点に感心

2011-10-17 06:01:42 | 京都

庭園の講師は川瀨昇作(宮内庁)・野村勘治(野村庭園研究所)・仲隆裕(京都造形芸術大学)のお三方。メインは川瀬さんの桂離宮での工事の裏話と職員ならではのお宝スライド。共催は「全国女性造園技術者の会」でえらく女性が多い。<o:p></o:p>

歴史が仲隆さんから説明。その後、重森三玲氏に師事し桂離宮の測量(1/100)の経験がある野村さんから桂離宮の1/800の図面に基いた桂離宮の知見は<o:p></o:p>

・笑意軒の蹲踞から中州の三叉路を結ぶ線は、「水の軸」で4つの橋が重なる<o:p></o:p>

90度の曲ががヴィスタを変化させる<o:p></o:p>

・角違いの石打ち(遠州好み)<o:p></o:p>

・石が余分に打ってある(曲がる先の視線のコントロール)<o:p></o:p>

・石の高低や流れ、置き方は意味がある<o:p></o:p>

・靴脱ぎ石は角が鈍角でむくみがあり真の飛び石の延長に角がある<o:p></o:p>

・桂離宮は中国(市松模様)、遠州、茶道(?)の影響がある<o:p></o:p>

 <o:p></o:p>

 川瀬さんは経験を庭園の細かい作りから語った。<o:p></o:p>

・竹穂垣の竹の編み方は15寸間隔の2スパンごとに竹の左右の枝を交差<o:p></o:p>

・桂垣は堤防に生えた破竹の利用、10寸間隔で捻って曲げ、編みこむ<o:p></o:p>

・あられ零しの舗装は530/㎡(900平方cm/日のお仕事)、離宮内の石を使用、艶があり手が汚れない、土台は漆喰でなく、これも離宮の土を固めて排水も良い<o:p></o:p>

・賞花亭の前の石は土台がコンクリート、歩くと固い<o:p></o:p>

・地元の材料が桂の特色<o:p></o:p>

その後、お宝写真や破竹の実物など。楽しい。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

川瀬さんの意見と写真の検証として、「月は月見台からは見栄えがしない、月波楼からが良い」との意見に、野村さんからも、「その通り、対岸のくの字の凹みもそのためだ」と賛同。桂離宮で月は見たことがないし、本当なのだろう。だとしたら、月見台は当時の月の方向(白道)との論文がある方の意見はどうなるのだろう。(そのころの白道についても疑問が呈されているが)<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

桂離宮の奥は深い、造園の専門用語はついていけなかったが、離宮を守るご苦労が良く分かった<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする