金子勝はもともとマルクス経済だった、片や神野直彦はドイツ派でイノベーション理論のシューペンターの研究だ。この2人の対談形式で独自の見解が多く、面白さと疑問が交錯する。知見は、年金、雇用に関するものの知見が多い。<o:p></o:p>
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エネルギーを原発型の集中から分散・循環にするのや、ヨーロッパの多心型・多極分散型(Polycentric)と危機対応(Resilience)政策は、アメリカ型を標準とする風情への警告となっている。<o:p></o:p>
福祉国家を「参加なき遠き政府による再分配国家」とし、新自由主義(サッチャー、レーガンなど)は「参加なき遠き政府による再分配しない国家」としている。そのため、国家の身近な単位であるコミュニティは崩壊の方向にあり、しかも直接税から間接税への移行により格差拡大となった。<o:p></o:p>
小さな政府で経済重視は、社会統合に亀裂、そのため絆を言い出すのは経済の利己的な側面とコミュニティの利他的側面の重視という論理矛盾がある。<o:p></o:p>
ヨーロッパの年金支給開始年齢引き下げは、退職の呼び水かつ若い失業者の雇用につながる。日本はその反対。年金は現金のみならず、地方によるサービス給付も重要。<o:p></o:p>
TPPはアメリカ主導「ルール障害」によるブロック経済、コンピュータでOSを握られるのと同じ。<o:p></o:p>
労働の規制緩和と生活の安全保障はFlexicurity( Flexibility + Security)としてデンマーク、オランダにある。弾力的な労働市場(解雇)と失業者の生活保障、結果的な産業転換と再訓練・再教育(Activation)のシステム。人的インフラとしてスエーデンなどの「働きと学びの懸橋」の整備が課題。<o:p></o:p>
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雇用年金政策はEU問題もあるがヨーロッパも学ぶのがよい<o:p></o:p>
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