新国立競技場( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E7%AB%B6%E6%8A%80%E5%A0%B4 )は、安藤忠雄が審査委員長だが、応募資格、施設要件(高さ、範囲など)、審査内容に数々の陥穽が指摘されている。( http://matome.naver.jp/odai/2134291475565192401 と http://loveriver.net/stadium/compe/ )
どう考えても、神宮外苑にふさわしいと思えない。重鎮でブリッカー賞の槇文彦さんも珍しく設計に反論していた。論文『新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える』( http://www.jia.or.jp/resources/bulletins/000/034/0000034/file/bE2fOwgf.pdf )
ザハ・ハディッド ( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%8F%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%89 )はレム・コールハースと同じAAスクール出身で関連もあるが、作風は違い、有機と無機くらいの差がある。今回の競技場は「橋」と「回廊」であり、巨大すぎるスケールだ。SANAAの設計がずっと良いと思う。
選考の評価も良くわからない
SANAA
「~起伏ある屋根とスタンドの隙間が観客の集中力を妨げることなど、美しいパースのイメージを保ちながら現実的課題をクリアすることに懸念があり~」というのは安藤忠雄の指摘のようだが、よくわからない。
一方、ザハについて
「 Zaha Hadid Architectsの提案は、スポーツの躍動感を思わせるような、流線型の斬新なデザインである。極めてシンボリックな形態だが、背後には構造と内部の空間表現の見事な一致があり、都市空間とのつながりにおいても、シンプルで力強いアイディアが示されている。~」とあるが、要は押し出しが強いということで、景観への配慮がないのを示す。
今回、設計案も見直すようで、ザハの案も改変されるようだ。できるなら、槇さんにとりまとめを依頼するのが最善策だ。それにしても失態は
①批判される設計案の決定
②見直しの過程が不透明
③拙速なスケジュール:取壊し先行とゼネコン選定
④予算管理の未熟さ
⑤施設利用のフィージビリティと投資額の検証不足
など千億円を超えるプロジェクト・マネージメントが全く機能していない。
税金の乱用のような感じがする、「失敗の本質」にある「戦力の逐次投入」を思い出す。挙句の果てに都の580億円の負担とは、国と独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の当事者能力を疑わざるを得ない