The Hidden Dimention Edward T. Hall
今頃になって読んだ。必読の書だ。
1966年の本、人間の知覚距離、文化とその反映の都市・建物・芸術で相違が出るというものでproxemicsプロセミックス ( http://en.wikipedia.org/wiki/Proxemics )という人体の近さと境界( Intimate, Personal, Social, Public :4分類)に分けられている。恩師吉阪と似ているのは、コルビュジェのモデュロールとの関連もあるが、Critical DistanceにおいてFlight Distance、Attack Distanceの話はこれから引用と気づいた。
知見は
・密度はストレスになり、副腎重量に比例する→恩師戸沼先生の指摘だ
・オスはドミナントを志向する
・人間は「遠距離感覚器」の視覚と聴覚が発達→絵画、音楽に
・嗅覚を重要視する文化もある
・歩き回れる広場はストレスがなく、ぶつかる台所はその反対
・ヨーロッパとアメリカでは車(路面間隔とふわふわ)、ドア(遮音、開けるのが普通)、都市のパターン(放射状、格子状)と大違い
・アメリカは出身地で区分し自分の部屋を持ち、ドアでプライバシーを表現、イギリスは社会システムで区分し自分の部屋を持たず、黙ると自分の世界
・日本は「間」でない部分に意味がある、建物の壁の共有を嫌う、視点が多く、移動変化を楽しむ
・50年代からニュータウン計画の破綻を指摘、低所得者向け高層アパートが「土地」から離れる問題を指摘、階級的差異と隔離、コミュニティの分断「都市村落」形成には3代必要。
・一人当たり10~13㎡が住宅の最適密度(有効面積らしいが、4人なら50㎡で当初の公団住宅並み)
・生活様式は建物、道路、人間の複合性の関係
・文化は人間とその環境として相互に作用
面白いのは「感覚世界はそれぞれ違う」、そのため「受け取られた体験は文化のスクリーンを通す」とあるのが差異の分析として貴重だ。
ふしぎなキリスト教にペストでカトリックの神父も亡くなり、同じ人間と分かり権威失墜、新しい産業や宗教が出現 とあったが、都市も文化を継承し、変革があると良く分かった。
重ねて言うが、必読の書だ