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都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

洛中洛外 京は“花の都”か (高橋昌明):京都〈千年の都〉の歴史 について大元の論文集、補講が面白い

2016-06-12 04:51:14 | 京都

京都〈千年の都〉の歴史の原本で、論文集に近い。当方にはこの内容が分かり易い。真面目で歴史都市学というべき内容だ。

楽しむというより学んだ。都市としての京都の3Kとしての閑散、官僚的、汚いは逆に、民間開発と私権の乱用、官製計画と民間誘導、衛生と管理という観点では今の都市計画とまったく一致するのが笑える。歴史は繰り返し、都市計画とはなんなのだろうかと自身の職能と研究を思う。

 とまれ、副都として近代に再生した京都は、いまややっと文化庁誘致に至る。マクロ経済や都市計画の理解もある本書は京都研究者必読の書だ。

 知見を羅列する:

・町尻通は新町で東西の市場が発展、錦の東西と対比

・町湯は貴族も利用

・小川(こかわ)の上にも町屋→高密度利用(上杉本)

・町割り:大路辺四行八門(2つの南北通)、それ以外の四行八門(1つの南北通)→南北の間口は5丈(15m:大体8間)→これが半分になると4間、三分の一で約3間弱となり今の間口か)

・四面町(道路)、四丁町(片側町で街区の対角線分割)、両側町(街路中心の産業)

・惣町は上京・下京、町組で運営、革堂と六角堂が核

・傷み、つまる溝は不衛生→源流と放流先が不明なのは残念

・悪臭とごみ放棄、便所も同じで現在の合流式→近代下水整備前のヨーロッパと同じ

・野外便所と街頭排便、街路はぬかるみ→ローマの石張りとは大きな違い

・鴨川は東岸に護岸、西岸が溢れる、井戸に汚水・汚物で疫病が梅雨、台風以後→水と御霊会

・16世紀からくみ取り便所で、作物への肥料利用で生産拡大と都市衛生の両立

・軽量な桟瓦で瓦葺が進展

・政争が飢饉や飢餓の原因

・塔や伽藍は水平耐力の設計(柱・梁・筋交い)とメンテナンス資金不足で壊滅→見栄え優先か

・支配と大山崎(国境の町)で寺が多い、この世とあの世の境、修正会(歳初め行事)

・乙訓、宝積寺の鐘、空海が青龍寺の名をとり勝積寺のある神足の職人が造る

 面白い


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