都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

新春

2019-01-01 02:51:41 | マクロ経済

あけましておめでとうございます

今年もこのブログをよろしくお願いいたします。今年からは、まめで表現を狙う能動的な生き方から、ゆったりした受け身で印象を楽しむ生きた方に方向転換しようと思っております。それでも65歳ぐらいまでは都市計画と経営学の知見を生かた仕事をと思っています。

 

 不況が来ると近年書いておりますが、日銀も低金利の出口をどう考えるのかという時期に来ております。今まで買い支えた国債は400兆円となり( https://www.smtb.jp/others/report/economy/57_1.pdf )、しかも期待インフレは、マイナス金利でも起こらなかったというグルーグマンも認めた歴史的金融実験での失敗がある。その反動として、不動産に資金が流入し、借上げマンション開発の乱立、簡易宿泊所やホテルの急激な開発が発生した。さらに、GPIF( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E9%87%91%E7%A9%8D%E7%AB%8B%E9%87%91%E7%AE%A1%E7%90%86%E9%81%8B%E7%94%A8%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E8%A1%8C%E6%94%BF%E6%B3%95%E4%BA%BA )の株の買い支えも限界が近い。

 円安も問題で、110円/$の水準は安すぎる。ニュー・ヨークではラーメンが15$でチップ込みなら19$(2,100円)と日本の倍だ。80円/$が購買力平価としても適正と思う。最近、インバウンドと称される外国人観光客の増加も円安効果だ。さらに、日本のサーヴィス業の低生産性は「接客が良く、時給が低い」ためだ。

 

 メガ・バンクはともかく、地方銀行はマイナス金利政策で収益悪化が顕著であり統合とならざるを得ない。間接金融より直接金融での資金調達に変わり、さらに低金利は、企業にとっては社債調達の天国だ。借入も優位だ。

無理に無理が重なり、日銀金利を上げざるを得なくなり、株価低迷、地価下落(タイム・ラグが2年程度ある)、円高となりインバウンドも頼れずとなろう。アベノミクスの終わりの足音が聞こえる。

 節度ある不動産投資と自分の資金運用を今年の課題にしたい。

 

 一方、働き方改革で労働人口(女性とシルバー)、多様なワーク・プレイスの確保、生産性の向上が求められるならば、ゆったりしたオフィスや住宅地でのオフィス開発はこれから「働く楽しみ」として将来性がある。いまのIT業界など2坪/人という高密(一般的には3~5坪/人)でDigital Slaveと呼ばれるのもむべなるかなと思う。今年から都心のオフィスでの「生産」とはなにか、職住近接とは、住宅地でのサテライト・オフィスとはなどを考えてみたい。

 また、飲食業や介護の採用難業種の賃金アップを先頭に賃金の増大(企業の内部留保の還元)と、業界底上げを狙う値上げでの消費増大の両面が必要だ。賃金なくして、消費は拡大しない。

 都心のオフィスセンター(クラスター)の成長戦略として、ワーク・プレイスと街の賑わい、産業育成についての方策立案、実践を今年のテーマとします。

 

 長期的な産業育成のために、教育面では閉塞感打破には高校までの公平な教育として生活支援・無料化が不可欠だ。反対に、大学は難度に応じて給与の奨学金制度が欲しい。というのも大学は研究成果を追うものであり公平さより実績が求められるからだ。研究人材育成への研究費の増加、そしてヴェンチャーや産学連携はこれから我が国で伸ばすべき分野だ。

 

 微力ながらOJTや企業分析などで周りの若手の育成に貢献して行きたい。また、セミナーなどもより積極的に演目も増やそうと目論んでいる。

 92年のバブル崩壊から四半世紀、これからの20年オリンピック、25年大阪エキスポもあるが、建設経済も陰りが見える。しかも、昨年末の株価暴落など投資家心理も「不安」に振れている。

 資産価値下落と、信用不安でのリスク・プレミアムを載せた金利の上昇、日銀の出口戦略の模索と保有国債の価値下落など「宴の後」の片づけが待っている。しかも消費税は2%上がり心理的負担増加と消費性向の低下が見込まれる。

 しかし、投資する余力があるならチャンスの到来だ。シルバーの現金が投資に向かう機会になろう。また、マンションなども値下がりし買いやすくなるが、既存のマンションは含み損となる。このように資産価値の入れ替わりが予測される。ホテルは稼働率と宿泊単価両面の下落も見込まれる。一方、オフィスは堅調に推移し、開発用途間の裁定がはたらく。

 

 金ぴか職業より、地味に長く給与を稼ぐ時代が近い。そのためには教育と専門性、そして生産性がより重要になる

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