前回の続きです。その前に、私の好きな国旗をふたつ・・・
エストニア国旗
世界の国旗を網羅した本を見て、エストニア国旗が最も美的に優れているのではないか(勿論個人的好み)と思っているのですが・・・
宮崎駿監督もエストニア国旗がお気に入りのようです。「
泥まみれの虎」のエストニア紀行を御覧ください。
追記:最初のタイトルは「独立の必要性」でしたが、必要ない場合も多いので「独立は必要か?」に変えました。エストニアも
バルト3国のひとつとして独立に苦労してきた国です。ついでに、ラトビア、リトアニアの国旗もステキですね。
もうひとつ好きなのは
イスラエル国旗
前回見たように、地球上では多くの独立運動が進行中です。
イスラエルとの関連ですぐ思いつくのは
パレスチナで、既に100年になります。
これには植民地宗主国に重大な責任があり、しかも抜本的な解決を回避してきた国連や関連国の責任があります。
現在進行中の
カタルーニャに関しては数百年の前史があります。
収穫人戦争、
カタルーニャ州参照。
さて、なぜ多くの地域や民族が独立を求めるか・・・その根源は、差別による不利や被害無しに、生命の危険無しに安全に暮らしたい、ということだと思います。
代々暮らしていた土地を追われたパレスチナ難民も、イスラエル国籍のアラブ人も様々な困難と制約の中で生きています。「自分の国」となったパレスチナへ戻って、迫害も差別もなしに安心して暮らしたいというのは当然の願いだと思います。が、実現は極めて困難です。
他方、イスラエルという独立国も必要なのです。古代から
ディアスポラで暮らすユダヤ人にとって、差別や迫害が無ければ、ユダヤ人国家は不要だったかも知れません。つまり、ナチスの「
最終解決」が無ければ、イスラエルは成立しなかったかもしれません。
しかしユダヤ人に対する生命の危険が完全に無くなっていない現在、イスラエル国家は不可欠なのだろうと思います。
知り合いのフランス人は、父親が
アウシュヴィッツの生き残りです。いつもダヴィデの星のペンダントをつけている彼女は「自分は先ずフランス人だと思い、普段はユダヤ人であることは意識していない。でも、万一非常事態が起きたら、イスラエルに逃げられると思う」と話していました。
他方、以前にも紹介した
南チロルの場合は、オーストリア復帰を望むゲルマン系南チロル住民は殆どいないでしょう。イタリアでもオーストリアでもない南チロル共和国を作ろうという運動もあるようですが、ごく少数の人々の酔狂な運動と思います。
現在のカタルーニャでも独立派と独立反対派は、ほぼ半々です。カタルーニャ人がスペインで命の危険を感じているということはないのです。カタルーニャの経済状態が良く、中央政府に徴収された税金が、他の経済的に弱い州にまわされることに対する不満は大きいようですし、数百年におよぶ独立への悲願は分かりますが、やっぱりスペインの中のカタルーニャであってほしいと思います。
同様の住民投票は以前に
スコットランドでもありましたが、独立反対派が僅かに上回り、今もイギリスに留まっています。
チェコスロバキアが
チェコとスロバキアに分裂した当時も、私は分裂しないことを願っていました。2つの民族が平等に仲良く暮らしていける模範国家として、これからも存続してほしいと思ったのですが、当時チェコ人とスロバキア人の溝と敵対意識は、ほかに解決方法がないまで深まっていました。しかし、今は友好的な関係になっているように思います。離婚して後で仲良くなるといった感じでしょうか。
もう大分長くなったので以下省略
オーストリアのナショナルデー以前の記事
長蛇の列
接近戦
満員の広場
祝日の広場