シェークスピアの四大悲劇のひとつ「
マクベス」は良く知られています。
黒澤明は舞台を日本の戦国時代に移して「
蜘蛛巣城」を制作しています。
下の絵はイギリスの画家が描いたマクベスです。
さて、益々血生臭くなりつつあるロシアのウクライナ侵攻ですが、
プーチンをマクベスと比較する論評がありました。
マクベスが益々深く血の海に入り込んでいくように、プーチンも益々深く血の海に入り込んでいくだろう・・・と言うのです。
私としては全然賛成できません。マクベスとプーチンでは、全く次元が違います。
確かにマクベスもプーチンも邪魔な人物を次々と抹殺します。しかし、その規模が全く違います。
マクベスは正常な道徳基準を持ちながら、一瞬の迷いから泥沼へと入り込んでいきます。これは個人の悲劇で、マクベスを取り巻く世界とその価値観は正常です。
しかしプーチンとそのスタッフが遂行しているのは価値観の破壊(あるいは捏造)です。先ずクリミア半島のロシア系住民が望んでいるからと
クリミア半島を併合し、ウクライナのネオナチ勢力がロシアを脅かしているからとして
ウクライナに侵攻。国際法に反するこれらの行為を正当化するため、
全く新しい歴史教科書が発行されています。
昨年、
売国の建国者でやや詳しく述べた通り、ウクライナの歴史には微妙な過去があります。しかし国際法上、最終的な決定権を持つのはウクライナ人自身です。ところが「ウクライナ人というのはロシア人だ」というのがプーチン・ロシアの主張です。
考えれば考えるほど疲れてくる話ですが、決して投げやりにせずウクライナを支援し続けることが大切だと思います。