前回、ハイイロガンに言及した「条件反射」で、コンラート・ローレンツのことを思い出しました。
昔々、まだテレビを持っていた頃、コンラート・ローレンツとカール・ポパーの対談を見ました(視聴しました)。
ハイイロガンの父さんローレンツと開放社会の守り手ポパー


2人は幼友達で、生まれ年も1年違うだけ。その2人が高齢になって越し方を振り返る対話は、しみじみとした雰囲気でした。
もう随分前なので、細かい話の内容はすっかり忘れましたが、決して忘れられない一言(2人なので「ふたこと」)・・・
2人とも少年時代の愛読書が「ニルスの不思議な旅」だったのです。
ポパーが
2人とも同じ本を読んでいたのに、どうして、こうも違うのかね?
ひとりは動物行動学者になり、もうひとりは社会学者(哲学者)になったことを指しています。
これに対してローレンツは
君は著者に惚れ、私はハイイロガンに惚れたのさ。
下の写真が2人の惚れた相手です

ヨーロッパで最も一般的なガンであるハイイロガン

ニルスの「産みの母」であるセルマ・ラーゲルレーヴ

コンラート・ローレンツはナチスを支持していました。このためローレンツを批判あるいは低く評価する人々もあるようです。しかし、当時はナチス政治の実態を知らず支持した人も多いのです。晩年のローレンツは環境保護運動にも積極的に参加していますし、ナチスの時代に既に実態を知っていたなら決して支持しなかったろうと思います。
ポパーはユダヤ系オーストリア人だったので、ナチスの台頭とともにニュージーランドに移住、戦後はイギリス国籍となりました。
もしナチスの時代が無かったら?という問題はややこしいので、この際無視

もう亡くなりましたが、私の知り合いのオーストリア人はナチスに反対してイギリスに亡命、イギリス軍の兵士となってオーストリアへ戻ってきたという経歴をもっています。
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