昨日池田晶子の死亡記事が新聞に載っていた。
特別彼女の書いたものを読んでいたわけではない。2年ほど前、新聞に書かれていたエッセーを自分なりに短くして紙に書き目に付くところへ貼っている。
バランスが崩れそうになるとゆっくりとじゅもん代わりに読む。
奇跡の自覚
生きているとはどういう事か
生きているとはつまり死んでいないことだ
生きんが為に労働し闘争し苦しみ悩む
生きるを何であるか知らないままに全ては為される
驚くべき事だ生きるの何であるかを知るために考えねばならぬ
すなわち内省する事だ
しかし人間は内省するという意味さえ理解できなくなった。
外ばかり見ているからだ
そして言う内省などしていたら生きてゆけない
しかし生きるの何であるかが最大の問題でなかったか
自分が生きているとはどういう事か
自分とは何か
考えはじめるとこの当たり前のことがおそるべき謎だと理解する
謎とは別名奇跡
奇跡の前に天下国家なぞいわゆる些事
そういう視点を人は必ず獲得するはずだ
世の中はどうなる
世の中を作っているのは一人ひとりの人間
生きているという奇跡を自覚すればよい
全員の自覚までは時間がかかるけど・・・・・・・・・
享年46歳ご冥福をお祈りします。