歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学

フラクタルと歴史経済波動学で予測
 未来の世界と経済と医療の行方
貴方はいくつの真実を見つけられるか!

シーレーンを守れ。現地の住民にも利益を回せ。世界で嫌われる資本主義的収奪。

2019年12月13日 11時28分49秒 | 歴史経済波動学

「宮崎正弘の国際情勢解題」

令和元年(2019)12月13日(金曜日)弐
          通巻6305号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 パプアニューギニアのブーゲンビル島、住民投票は独立賛成が97%
  やっぱり背後で暗躍したのは中国の覇権野望だった
****************************************

 ブーゲンビル島。そう、山本五十六が搭乗した軍機が撃墜され、戦死した島である。
 さきごろ、二週間をかけて行われた「独立か、自治か」の住民投票で97%の住民は「独立」という意思を示した。

 「完全自治」を選択したのは2%、ちなみにブーゲンビル島の有権者は19万人弱。首都ポートモレスビーの政府は焦燥の色を隠せない。

 長く続いた武装闘争は、ブーゲンビル武装勢力とパプアニューギニア政府軍の内戦だったが、犠牲者が二万人を超え、パプアニューギニア政府は英国の戦争請負業に解決を依頼した。
この背後にはオーストラリアとニュージーランドの支援があった。豪もNZも、パプラニューギニアは、自分たちの縄張りと認識しているからだ。
げんに2018年に首都ポートモレスビーで開催されたAPECは、豪が空軍、陸軍を派遣し、警備を分担した。国際会議場はまるまる中国が寄付した。

 ブーゲンビル島に何があるのか。
 埋蔵580億ドルにものぼると推定される鉱山がある。同鉱脈に随生する金、レアメタル。豪のリオテントの子会社が独占的な「採掘権」をもって開発し、操業を続けてきた。

 戦争の原因は資源をめぐる開発権争奪、ハイテク時代に使われるレアメタル需要の激増という背景があり、パプアニューギニア政府は、とつじょ豪から採掘権を取り上げ、国有化計画を提示した。

資源ナショナリズムは、こうした発展途上国ながら資源リッチの国々の指導者がとりやすい政策である。
嘗てのスーダンも、ジンバブエも、ザイール(現コンゴ民主共和国)も、資源を巡る内戦と、その背後にあった大国の思惑と策謀によって武装勢力との内戦が繰り返されてきた。

 中国はブーゲンビル島の政治指導者に「空港、道路整備を援助します」などを「シルクロートプロジェクトの一環」として巧妙に持ちかけていた。鉱山を横合いから掠め取る魂胆がありありとしている。
 豪政府は警戒を強めている。

     ○△□◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□◇◎

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インドネシアはスラウェシ島南部の洞窟で「大発見」

2019年12月13日 11時09分17秒 | 地球気候変動

〜〜
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和元年(2019)12月13日(金曜日)
          通巻6304号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

インドネシアはスラウェシ島南部の洞窟で「大発見」 
44000年前と推定される壁画が発見された 
****************************************

 インドネシアはスラウェシ島。昔のセレベル島である。
 ことしの二月ごろまで、インドネシアの新首都移転候補地のひとつが、この島のマカッサルだった。八月に最終決定がおりて、カリマンタンのバリッパパンの北側の密林を開発し新首都と決まった。

 さてスラウェシ島のことである。
 この島の南部の洞窟で、なんと44000年前と推定される壁画が発見された。洞窟の上部に豚とバッファローが描かれ、赤く採色されている。もとより、この洞窟壁画は2017年、豪のグリフィス大学人類環境研究センターが発掘調査していたときに洞窟のかなり上層部で発見されていた。

 下記英紙『ガーディアン』(2019年12月11日)に写真がある。
https://www.theguardian.com/science/2019/dec/11/earliest-known-cave-art-by-modern-humans-found-in-indonesia

 『サウスチャイナ・モーニングポスト』(12月12日)には他の洞窟絵画の写真。↓
 https://www.scmp.com/news/asia/southeast-asia/article/3041714/oldest-story-ever-told-painting-pigs-cave-wall-indonesia

 科学的な年代測定に手間取り、ようやくにして35100年前から43900年前のものと同センターのアダム・ブルムン考古学者が、発表した。考古学、文化人類学者らの学術的な検証の結果である。この「大発見」は人類史を書き変えることになる。

 旧セレベスが、いまのスラウェシ島であることは述べたが、戦前、この島の都マカッサルには15000名ほどの邦人が住んでいた。同盟通信の支局もあった。この関係で現在も日本領事館がある。

 筆者は、この夏、マカッサルへも足を延ばした。是非とも見たかった場所は「リアンリアン先史公園」にある古代人の動物壁画だ。
この洞窟壁画は五千年前、我が国の縄文中期に石灰質の洞窟に動物画が描かれたのだ。フランスのラスコー洞窟の動物壁画を連想する。

ラスコーの洞窟壁画は1940年に偶然発見され、人類史最古、二万年前にクロマニヨン人によって描かれた。環境保全のため、フランスの現場は立ち入り禁止、レプリカがパリに博物館が作られ、夥しい人出が続いている。

 インドネシアの洞窟壁画、リアンリアン先史公園のほうだが、当該現場へはマカッサル市内からタクシーを雇って一時間ほど。そこで粗末な小舟に乗り換え、水流れを溯り、マングローブの密林地帯を抜け、やっと着いたのは小島の船着き場なのである。

 さらに、そこからは徒歩で?、凸凹なけものみち、洞窟をくぐり抜け、小さな滝、苔むした洞窟の先に画があるのだが、望遠レンズでようやく見られるくらいだった。案内人の老人は明らかに人種が違う。別れ際、チップを渡すと初めて笑顔をみせた。
 望遠レンズでしか見られなかった動物壁画、じつはレプリカが、ジョグジャカルタの世界遺産ブロブドール仏教遺跡のなかにある博物館に飾られている。

 日本の壁画は高松塚古墳のものが一大事件となったが、時代的にいえば、七世紀。歴史学の対象ではあっても考古学的な意味はあまり大きくない。
     ○△□◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□◇◎

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする