★ http://www.manila-shimbun.com/category/society/news249041.html
ドゥテルテ大統領は7日、首都圏の水道会社マイニラッド、マニラウオーターの2社に対し、22年以降の新たな契約内容を提示し「受け入れなければ水道システムを国有化する」と述べて回答を迫った。
しかし、ゲバラ司法相は契約内容の最終調整にはまだ時間がかかることを明かしており、問題の決着にはさらなる紆余曲折がありそうだ。
ゲバラ司法相は大統領の会見後に「今後(2社と)交渉の機会がある」と述べ、政府の要求すべてを受け入れなければ自動的に契約破棄になるわけではないことを示唆。大統領とは対照的に、2社との再交渉に応じる意向を示した。
一方、パネロ大統領報道官は7日の会見で「水道会社との契約は6日の閣議で広範囲に議論された。現在は司法省と訟務長官室が対応している」と述べた上で「国民は、水道供給において惨たんたる状態の2社により莫大なものを失った」と述べ、契約破棄をちらつかせている。
マイニラッドはまにら新聞の取材に対し7日夕の時点で「新たな契約内容文書は受領しておらずコメントできない」と述べた。同社は昨年続いた断水の根本的な原因はダム建設などの遅れによる首都圏への水供給不足にあるとしている。
ドゥテルテ大統領は、昨年11月、シンガポールの仲裁裁判所で水道2社が勝訴、水道料金値上げを認めなかった比政府に賠償金を支払うことを同裁判所が命じたことを受けて怒りを爆発させ、「2社は契約延長をめぐり政府に不利益をもたらす内容を盛り込んでいる。詐欺行為で告訴する」とも繰り返し述べている。
これに対し、政府が契約を一方的に破棄して国有化に踏み切れば国際的な信用を失うとの批判もある。
昨年3月以降、首都圏ではケソン市などで計画断水が続くなど慢性的な水不足に陥っており、ダムの建設が急務となっている。だが、中国が支援して建設するカリワダム事業でも「比政府に不利な内容」が契約に含まれているとも指摘され、パネロ報道官は今後契約を見直す可能性にも言及、早急な解決策は見つかっていない。(森永亨)