旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

浄土寺

2009年06月11日 | 旅 歴史
 今日は広島県尾道市東久保町にある浄土寺を紹介します。
 尾道市街の東端、浄土寺山の南麓に建つ浄土寺は616年に聖徳太子によって開創されたといわれる中国地方屈指の名刹です。足利尊氏ゆかりの寺としても有名です。境内入口の山門は国の重要文化財に指定され1330年頃再建された建物です。
 山門を入ったところにある本堂は国宝です。嘉暦2年(1327)建立されています。和様を基調にしながら細部には桟唐戸などを用いた折衷型の鎌倉末期の遺構です。本堂本尊は秘仏の木造十一面観音菩薩立像でこれも重要文化財です。
 1345年に再建された阿弥陀堂は室町初期の建築で国の重要文化財です。均整の取れた美しい和様の建物で、質素ながら優美さを感じさせます。奥庭には伏見城から移築したといわれる茶室「露滴庵」があります。これも国の重要文化財です。
 本堂と同じ時に建立された国宝の多宝塔があります。多宝塔としては規模が大きいうえに全体の釣り合いがよくとれています。ボタン、唐草に蝶の透かし彫りを施すなど細部の装飾も立派です。



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