7時、起床。ベーコン&エッグ、トースト、牛乳の朝食。午前中に子雀を動物病院へ連れて行く。右まぶたの腫れものはあいかわらずである。目薬や飲み薬(抗生剤)での回復は難しいようである。先生の言うには、「買い取りにするつもりならまた別の治療法があるかもしれません」とのこと。買い取り? 雀を買い取って治療してくれるところがあるのか? と一瞬思ったが、すぐに「買い取り」ではなく「飼い鳥」のことだと理解する。「雀は飼えないのではありませんか?」と尋ねると、「はい、法律上は」と先生。そうですよね、法律上は赤信号のときに横断歩道を渡ってはいけないように、と私は心の中で注釈を付けた。「別の治療法といいますと?」と尋ねると、「たとえば手術をして腫ものを切除するとかです。でも、それはここでは無理です。小鳥の専門病院でないと」と先生。世の中には小鳥の専門病院というものが存在するのだ。もしかしたら院内には雀の学校もあるのかもしれない。病気や怪我のために発達の遅れた子雀に餌のとり方とかカラスや猫から身を守る方法を教えてくれるたりするのだ。「蒲田から近いところでは、新子安にあります」と先生。私はお礼を言って、今日は診療費を支払わせてほしいむねを告げたが、今日はとくに何もしていないからと、またもや無料だった。医院を出て、自転車に鳥篭を積んでいると、先生が出てきて、「恵比寿にもあります」と教えてくれた。
子雀はこのところ治療で痛い目にあったり、頻繁に目薬をさされたり、薬を飲まされたりで、ストレスが溜まっているみたいだったので(籠から出てきたがらなかったり、出しても書斎のカーテンレールのところに止ったままだったり)、病院から帰ってからは、餌をやって、遊んでやることだけをこころがけた。そうすると向うから机周りにやってきて、あちこち探索を始め、手の平にのせて頭をなぜてやるとそこで眠ったりした。夜も鳥篭に入れて布をかけて暗くするといやがって騒ぐので、自分から寝る気になるまで(それは様子を見ていればわかる)、好きにさせていた。ずいぶんと夜更かしの雀になってしまった。