6時半、起床。子雀がどんどん夜更かしになるのと反対に、私は早寝早起きになっている。早寝といっても午前1時頃だが、これまでは午前3時頃だったから、相対的にはずいぶんの早寝だ。あまりに深夜までキーボードを叩いていると子雀が寝ないので、双方が歩み寄って、子雀は11時には寝る(鳥篭に入れて遮光のタオルを掛ける)、私は1時には寝る、というあたりに落ち着いたのである。
鳥篭にかけたタオルを取り、窓を開けると、子雀はチュンチュンと鳴く。すると野良猫の「なつ」がやってきて、「ニャン」と鳴く。興奮している様子はなく、挨拶みたいな感じの「ニャン」だ。子雀も慣れてきたのか、網戸があるから大丈夫とわかっているようで、怯えている様子はない。最初の食事をすませると、鳥籠の上で、居眠りを始めた。遅寝だけに寝足りないのであろう。以後、子雀の一日は、遊ぶ→食べる→眠るのくり返した。
昨日今日で、大学の紀要に載せる論文の組み立てが決まる。明日から一日5枚のペースで書いていこう。締め切りは10月8日だが、23日から2泊3日のゼミ合宿で、合宿から帰るとすぐに秋学期の授業が始まるから、明日からの8日間で40枚(8割)は書いてしまいたい。
昨日の朝日の夕刊に加藤周一の未発表原稿が見つかったという記事が載っていた。彼が生涯最後の仕事と位置づけていた「鴎外・茂吉・杢太郎」の三人の医者兼文学者の比較評伝の前書きにあたる部分の書きかけの原稿(200字詰原稿用紙5枚半)だ。前書きといっても本体があるわけではなく、本来であれば、『加藤周一著作集』全24巻(平凡社)の第18巻となるはずの本であった。つまり著作集の第18巻は幻の巻なのである。加藤は80歳のときに「人生が倍あればいいんだがねえ」と冗談めかして言ったことがあるそうだ。今日の記事は今月17日から刊行が開始される『加藤周一自選集』全10巻(岩波書店)の宣伝にもなっている(未完の前書きは第10巻に収められるとのこと)。自選で発表年月順の編成となると、著作集をもってはいても、購入しないわけにはいかないだろう。