フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月19日(日) 晴れ

2014-01-20 11:18:18 | Weblog

     9時、起床。

     昨夜の残りのフライとパンと紅茶の朝食。

     午後、散歩に出る。玄関先の陽だまりに野良猫のなつがいる。ドアを開けるときだけちょっと移動し、ドアを閉めると元のところに戻る。マットの上がいいのだろう。今日は寒い。昨日も寒かったが、今日は一段と寒い。

     「phono kafe」に昼食をとりに行く。テーブル席がひとつだけ空いていた。奥の部屋も客が入っていて、なかなかの盛況だ。

     ごはんセットを注文し、時間はありますから急がなくて大丈夫ですと大原さんに言って、持参したアリス・マンロー『ディア・ライフ』(新潮社)の冒頭の一篇「日本に届く」を読み始める。帯にある通り、2013年のノーベル文学賞受賞作家である。新潮クレスト・ブックスにはすでに彼女の本が3冊、『イラクサ』『林檎の木の下で』『小説のように』が入っていて、本書が4冊目となる。以前から翻訳作業は行われていて、今回のノーベル賞受賞で出版が予定より早まったと訳者(小竹由美子)が「あとがき」で書いている。そうですよね、受賞が決まってから翻訳作業を始めたのでは、この時期に出版はできませんよね。

    思ったより早く料理が運ばれてきたので、読書を中断して、食事に専念することにした。チョイスした惣菜三品は、蓮根のつまみ揚げ、白菜と竹の子の葛あん、クスクスと野菜の豆乳グラタン。

     食後に紅茶とクッキー(天使の猫)。

    「phono kafe」を出て、駅の方へ歩く。風がめちゃくちゃ冷たい。

      「鈴文」の前を通ったら、かきふらい定食の張り紙が出ていた。とんかつ専門店だが、この時期だけカキフライがメニューに加わる。冬なのにカキ(夏季)フライとはこれいかに。秋なのにふゆ(富有)柿というが如し。それにしても1800円とはなかなかの値段である。カキそのものが値上がりしているのだろう。

 

     あまりに風が冷たいので「シャノアール」に入って読書の続き。「短篇の女王」と呼ばれるだけのことはあって、「日本に届く」は幼子を連れてバンクーバーからトロントへ列車で移動する女性詩人の一日を、回想を交えながら、それが人生の特別な一日となる結末までを鮮やかに描いた作品である。「日本に届く」というタイトルはちょっと懲りすぎている。素直に「トロントまで」としてくれたら、日本の読者にとっては、これは女の視点から書かれた「網走まで」(志賀直哉)だと膝を叩いたことだろう。

       「シャノアール」からは寄り道をしないで家路に就く。寒い、寒い。

     今夜は豚しゃぶ。妻は今日は横浜にワイヤー&ビーズの講習会に行ってきたのだが、帰りの電車の中で、一緒に講習会に出た人と「今夜は鍋よね。それで決まりだわ」と語り合ったのだそうだ。もっとも一口に鍋といってもいろいろな鍋料理がある。その人がイメージしていた鍋はどんな鍋だったのだろう。

      デザートは苺。