7時半、起床。
今日から2泊3日の信州旅行。朝食はとらず9時過ぎに家を出る。
新宿10時発のあずさ11号に乗って松本へ。いつもは初日に茅野の友人Kの別荘(安楽亭)へ行って、2日目に松本方面へ足を延ばすのだが、今回は順序を逆にした。
列車が発車してすぐに朝食に購入した駅弁「牛肉どまん中」の蓋を開ける。この駅弁は何度か食べているが、私はいままで「牛肉どまん中」というのは「牛肉メインの直球勝負」という意味かと思っていたが、そうではなくて、「どまんなか」というのは山形ブランドのお米の名前であることを今回初めて知った(説明書を読んで)。「米沢牛」+「どまんなか」なのだ。
牛そぼろと牛肉がご飯(どまんなか)をおおっている。山形新幹線の開業に合わせて発売され、いまでは全国的な知名度をもつ駅弁となっている。
この週末、天気は「あいにくの空模様」との予報が出ている。確かに晴れているに越したことはないが、でも、私はゴルフなどの屋外スポーツをする予定はないので、台風とかでもない限りは、曇りでも、雨でも(ただし小雨程度であってほしい)、「あいにくの空模様」とは思わない。
12時半、松本到着。
駅のコンコースから北アルプスの山々が見える。松本に来たなと実感する瞬間である。
まだチェックインはできないが、宿泊予定のホテルに荷物を預けて、街歩きを始める。
松本には春夏秋、年3回来ることが恒例になっているが、秋の松本は紅葉・黄葉が目を引く。
縄手通り沿いの四柱神社。
境内は紅葉が見事である。
今回の旅行の安全無事を祈る。
そういう種類なのだろうか、たんに紅葉が遅れているだけなのだろうか、きれいなグリーンの楓もある。
女鳥羽(めとば)川の川岸の風景。
旧松本市役所をイメージして建造された松本市営住宅上土団地。
その団地の向かいにある小さなフランス料理の店「ル・コトリ」。以前から気になっている店で、入ってみたかったが、生憎、ラストオーダーの時間(13:30)を過ぎていた。明日のしよう。
中町通りにある「竹風堂」。「栗おこわ 新栗になりました」の看板に引かれてここで昼食をとることにする。
ゆったりとした空間。
山里定食を注文。栗おこわがメインで、山菜がおかず。質素だが、味わいは豊か。
栗がたっぷり。
食後の甘味は栗汁粉。栗を使ったスイーツはいろいろあるが(モンブランとか、栗羊羹とか)、純度100%の栗汁粉は全国広しといえども竹風堂でしか食べられない。
腹ごしらえが出来たところでクラフト店めぐりの開始。松本に来たときは、名所旧跡(松本城とか)よりも、クラフト店めぐりがメイン。
まずは中町通りの「GRAIN NOTE」。
ここでは以前、ティーポットを購入して、研究室で使っている。
今回は同じ作家さん(田中一光)のティーカップを2つ購入(計6千円)。
2階でやっていた染織展をのぞいていく。
作家さん(大倉佳代子)がいらしたので、いろいろとお話をうかがう。
ポンチョにはかなり引かれたが、3万円はかなりの出費になってしまうので、「まだ旅は始まったばかりだぞ」と自分に言い聞かせ、青味のきれいなマフラーを購入(1万2千円)。
次に「coto.coto」へ。
「フィンランディアの手仕事展」が今日から始まっていた。フィンランド風の織物である。
最初に目に入った手前左側のマットを購入(値段はレシートをなくしてしまって不明だが、6千円前後であったと思う)。書斎の椅子に敷いて使おう。
三軒目は「ちきりや工芸店」。
ここでは敷物(1500円)と吹きガラスのコップ(1000円)を購入。
中通りを離れて、深志の方へ。
ギャラリーカフェ「Gargas」。
新しい展示会は明日からで、今日は二階の展示室では搬入作業が行われていた。マスターご夫妻が申し訳なさそうな顔をされているので、明日まで松本にいますので、明日も言って、コーヒーとカレーを注文し、1階の展示品を見る。それだけでも十分に楽しい時間だ。
夏に来た時も購入した小澤夏美さんの小物(瓶に入った小鳥)を購入しようとレジに行ったら、奥様がその小物を見て、「あらっ!」を声を上げた。なんだろうと思っら、「作家さんご本人がいらっしゃっています」とカウンター席に座っている女性の方を見て言った。なんたる偶然。挨拶をして、お顔の写真はブログにはNGということなので、お手元の写真を撮らせていただく。展示会前日に来店したことはアンラッキーだったが、それを補って余りあるラッキーな出来事だった。
日の暮れた道をホテルに向かう。
コンビニでお菓子と水を購入。まん中の豆菓子は先日、荻窪で会ったMさんにいただいたもの。
そのMさんからメールが届く。いま、三鷹の立ち飲み酒場「笑門」に1人で来ていますとのこと。先日の「中央線沿線ぶらり途中下車の旅」のブログに登場したお店である。メールにはマスターの多田さんご夫婦の写真が添付されていた。酒付きのMさんはこれからときどき「笑門」を尋ねることになるだろう。
ドーミーインに宿泊することの楽しみは2つある。
1つは屋上の露天風呂。これは実に気持ちがいい。ポツリポツリと雨が降ってきたが、かえって露天風呂の醍醐味が増した。
もう1つは9時半頃からサービスで供されるラーメン。あっさり醤油味のラーメンで、これがあるから「Gargas」で早めの夕食で済ませたのである。
12時頃に就寝。私にしては早寝である。
旅は一般に日常からの離脱であるが、私の年に三度(春夏秋)の信州旅行に関しては、同じような人に会い、同じような店を尋ねる旅なので、非日常的ではあるものの、パターン化したものである。そのパターンに身を浸すことが、露天風呂に身を浸すように、快適なのである。